慢性心不全患者が少し歩くだけで疲れるのはヒラメ筋の衰えも一因?

(2015年1月) "Journal of Biomechanics" に掲載された西オーストラリア大学の研究によると、慢性心不全の患者はヒラメ筋(ふくらはぎの筋肉。立つ、歩くなどの動作に用いられる)が衰えています。

慢性心不全
慢性心不全は、心臓が弱ってしまって全身に血液を十分に送れなくなる病気です。 慢性心不全の患者は運動が困難になり、歩行距離も減ってしまうため、運動不足が原因となる他の病気が問題となることが少なくありません。

この研究では、慢性心不全の患者10人(男性6人、女性4人)にトレッドミル(ルームランナー)で様々なペースで歩いてもらい、そのときの歩き方を計器で調べました。 そして、年齢と壮健さ(fitness。 心肺機能?)が同程度の健康な男女11人(男性8人、女性3人)にも同じように歩いてもらい、両グループの歩き方の違いを比較しました。

その結果、両グループで歩く速度は同じだけれども、慢性心不全患者のグループは健康な男女のグループに比べて脹脛(ふくらはぎ)の筋肉が小さいために、股関節よりも足首の筋肉を多く使っていることが明らかになりました。

過去の複数の研究で、心臓が弱っている人では心臓以外の筋肉も弱っており、そのために歩くなどの運動で疲れやすいことが示されています。

今回の研究で、慢性心不全患者の脹脛の筋肉が、単に運動量が少ないだけの健康な人たちよりも小さかったことから、慢性心不全患者ではヒラメ筋が弱体化し、そのために運動能力が制限されるのではないかと推測しています。

研究者は「慢性心不全の患者はヒラメ筋を意識して脹脛を鍛える運動をするべきだ」と述べています。