心臓に良いライフスタイルで心不全のリスクが低下

(2015年12月) "Circulation: Heart Failure" 誌に掲載されたボストン大学研究で、 生活習慣が "Life's Simple 7" という基準に合致している人は心不全になりにくいという結果になりました。
心不全は、心臓から全身に送られる血液と酸素の量が低下するという病気です。
Life's Simple 7

"Life's Simple 7" とは米国心臓協会が心臓の健康に良いとして提唱するライフスタイルのことです。 "Life's Simple 7" では、①タバコを吸わない、②運動をする、③健康的な食事をする、④適正な体重を維持する、⑤血糖値を下げる、⑥適正な血圧を維持する、⑦コレステロールを低く保つという7つの項目について達成度を測定し、改善を目指します。

過去の研究では "Life's Simple 7" のスコアが高い人は心臓発作や脳卒中のリスクが低いことが示されています。

研究の方法

"Life's Simple 7" の達成度を評価したのち 3,201人(平均年齢59才)を最長で12.3年間にわたり追跡調査して、"Life's Simple 7" 達成度と心不全リスクとの関係を調べました。

結果

追跡期間中に亡くなったのは188人でした。 心血管健康スコア("Life's Simple 7" のスコアのことでしょう)が1点高くなるごとに心不全の発症リスクが23%低下していました。

("Life's Simple 7" のスコアに応じてデータ全体を3つのグループに分けたときに)スコアが中程度のグループはスコアが最低のグループに比べて、心不全のリスクがほぼ半減していました。 スコアが最高のグループでは心不全のリスクがさらに下がっていました。

心臓リモデリング

"Life's Simple 7" のスコアが低い人では、追跡開始の時点で心臓リモデリング(cardiac remodeling)が見られることが多くなっていました。 心臓リモデリングとは心臓の構造と機能における不健康な変化のことで、心不全のリスク要因の1つです。

心臓リモデリングの有無を考慮しても、"Life's Simple 7" のスコアと心不全リスクとの関係の統計学的な有意性は消滅していませんでした。
"Life's Simple 7" のスコアが高いと心不全のリスクが低いという関係が心臓リモデリングによってのみ説明されるわけではないということでしょう。
弱点
今回研究には、データの大部分が白人だった(例えば日本人だと違う結果になるかもしれない)という弱点と、"Life's Simple 7" のスコアの評価が追跡開始時の1回しか行われていないという弱点があります。