心臓病患者は不健康な食品を避けようとするよりも健康的な食品を積極的に食べるのが良い

(2016年4月) "European Heart Journal" に掲載されたオークランド大学(ニュージーランド)の研究で、食生活がメディテラネアン・ダイエット(MD)に近い心臓病の患者は心臓発作や脳卒中のリスクが低いという結果になりました。

研究の方法

冠動脈疾患の患者1万5千人超(平均年齢67才)を対象に食生活に関するアンケートを実施したのち3.7年間にわたり追跡調査したデータを分析しました。 データは世界39ヶ国から収集されました。

分析においては、食生活がどれだけMDに近いかに応じてデータ全体を3つのグループに分けました。

結果
データ全体の3.7年間における主要心血管イベント(心臓発作・脳卒中・死因を問わない死亡)発生率は10.1%でした。 グループごとの主要心血管イベント発生率は次のようなものでした:
  • 食生活の内容が最もMDに近いグループ(2,885人): 7.3%
  • 食生活のMDへの近さが中ほどのループ(4,018人): 10.5%
  • 食生活が最もMDから遠いグループ(8,579人): 10.8%

研究チームが様々な要因を考慮して計算したところ、食生活がMDに1段階(全部で24段階)近づくごとに主要心血管イベントのリスクが7%低下するという結果になりました。

欧米型の食事

意外にも、欧米型の食事で食べられることが多く一般的に不健康とみなされる糖類や揚げ物などの食品の摂取量と主要心血管イベントのリスクとの間には関係が見られませんでした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「今回の研究から、心臓病患者は不健康な食品を避けようとするよりも健康的な食品(*)を積極的に食べるようにするのが良いと言えそうです」
(*) MDの特色である野菜・果物・魚などの食品。

「一部の食品、特に果物と野菜に心血管疾患(心臓発作や脳卒中)のリスクを下げる効果があるように思われます」

「この効果は心血管疾患のリスク要因とされるコレステロールや血圧では説明が付きませんが、いずれにせよ野菜や果物などの健康的な食品を優先的に食べれば、心血管疾患のリスクが下がる可能性があります」
「今回の研究では、精製された炭水化物(*)・揚げ物・糖類・デザートなども、そこそこの摂取量であれば有害ではないという結果でした。 ただ、今回の研究はデータがいささか荒いので、そこそこの摂取量でもいくらかは有害である可能性も残っています」
(*) 糖類や精白穀物。 精白穀物とは白米や小麦粉などのように精白された穀物のこと。