胸焼けで喉や声帯のガンになるリスクが増加

(2013年5月) ブラウン大学の研究によると、胸焼けで喉や声帯がガンになるリスクが増加します。 ただし、市販の胸焼けの薬(制酸剤)で、このリスクを減らすことができる可能性がなくもありません。
胸焼け
胸焼けとは胃酸が食道に逆流するために胸や喉に焼けるような感じがする症状のことで、胸焼けが週に2回以上生じる状態を胃食道逆流疾患(GERD)といいます。 アルコールや妊娠などのほか、特定の食品が胸焼けの原因になります。 胃逆流は、食道の粘膜に損傷を与えて喉のガンの原因になると考えられています。
研究者は次のように述べています:
「頭頸部ガンと胃逆流の関係を調べた以前の研究では明確な結果が出ませんでしたが、今回の大規模で信頼度の高い研究により、胸焼けが頻繁に起こる原因である胃逆流が咽頭ガンおよび喉頭ガン(つまり喉と声帯のガン)のリスク要因であることが示されました」
研究の内容

今回の研究は、喉と声帯のガンの患者631人を対象に行われました。 631人のうち咽頭(喉)ガンの患者は468人で、喉頭(声帯)ガンの患者は163人でした。

ガン患者のグループと比較対照するためのグループとして、性別と年齢が同程度になるように調整された健常者 1,234人のグループを用意しました。

そして、ガン患者グループと健常者グループを対象に、胸焼けの病歴・ガンの家族歴・喫煙・飲酒などに関するアンケートと HPV(ヒト・パピローマウイルス。口腔ガンのリスク要因となる)の検査を実施しました。

結果

頻繁に胸焼けする人では飲酒量や喫煙習慣に関わりなく、喫煙喉や声帯のガンになるリスクが78%増加していました。

胸焼け用の市販薬でリスクを抑制できる?

ただし、頻繁に胸焼けするが胸焼けの薬(制酸剤)を飲んでいるという人では、ガンになるリスクが胸焼けの市販薬を飲んでいない人と比べて41%減少していました。 胸焼け用の市販薬による保護効果は、飲酒・喫煙の習慣や HPVの有無を考慮してもなお認められました。 そして、このような保護効果が認められたのは市販の胸焼けの薬だけで、処方薬や民間療法には認められませんでした。

胸焼けの薬で喉や声帯のガンを予防できる理由は不明ですが、研究グループは、制酸剤が喉まで逆流してくる胃酸の pH を中和することによってガンの原因となる慢性的な刺激と細胞へのダメージを防ぐのではないかと考えています。

ただし、78%という数字は統計学的に有意ですが、制酸剤の保護効果のほうの41%という数字は統計学的に有意とは言えません。