酷暑により自動車事故が増加する

(2015年12月) "Environmental Health Perspectives" 誌に掲載された Centre for Research in Environmental Epidemiology(スペイン)などの研究で、酷暑により自動車事故が増加するという結果になりました。 出典: High Ambient Temperatures and Risk of Motor Vehicle Crashes in Catalonia, Spain

これまでの研究では、気温が高いと運転能力が落ちることが示されている一方で、気温と自動車事故との関係については研究結果が一致していません。

研究の方法

2000~2011年にスペインのカタルーニャで発生した自動車事故(被害者が存在するものに限る)のデータと、カタルーニャの気温のデータとを照らし合わせました。 この際、降雨・年月日・平日/休日などの要因を考慮しました。

結果

データ期間中に発生した自動車事故の件数は 118,489件(1日あたり平均64.1件)でした。

熱波(特に暑い時期)が生じている時期には衝突事故のリスクが2.9%増加していました。 ドライバーの不注意・運転ミス・疲労・眠気が関与する事故だけに限ると、この数字は7.7%となりました。

研究チームの推算によると、最高気温が1℃上がるごとにドライバーの不注意・運転ミス・疲労・眠気が関与する事故が1.1%増えます。

考えられる理由

暑さによって運転ミスが増える、あるいは酷暑により路面の状態が悪化(舗装が軟化)するために自動車事故が増えている可能性が考えられます。

エアコンの有無の影響

2008年の時点でカタルーニャの自動車のエアコン(クーラー)装備率は86%でした。 車内の気温が快適であれば運転能力が改善されるとする研究が存在するものの、今回の研究ではエアコンを装備していない14%の自動車により自動車事故の件数が引き上げられていたかまでは調べられませんでした。

エアコンが装備されている自動車においても、エアコンの能力が不十分であったりエアコンを使用していなかったりするケースがあったかもしれません。

また、車内は適温であっても、夏の暑さのために車内に入る前の時点ですでに睡眠不足や脱水状態になっていたという可能性も考えられます。