ヘルペスでアルツハイマー病のリスクが増加する可能性

(2014年10月) "Alzheimer's & Dementia" 誌に掲載された Umea University(スェーデン)の2つの研究によると、単純ヘルペス・ウイルス(herpes simplex virus。 口唇や陰部に生じる一般的なヘルペスの原因となるウイルス)への感染によりアルツハイマー病のリスクが増加する可能性があります。

アルツハイマー病とヘルペス・ウイルス

これまでの研究でも、1型単純ヘルペス・ウイルス(HSV-1。2種類存在する単純ヘルペス・ウイルスの一方。 もう一方は HSV-2)とアルツハイマー病との関係は指摘されていました。

単純ヘルペス・ウイルスは大部分の人が感染しています。 いったんヘルペスに感染すると、その後はずっと感染した状態となり、ときおり(体が弱ったときなどに)単純疱疹を引き起こします。

アルツハイマー病との関係においてはヘルペスは、保菌者が高齢になって免疫系が弱体化したときに脳にまでウイルスが広がり、そこでアルツハイマー病のプロセスのきっかけとなるのではないかと考えられてきました。

今回の研究
研究グループは、この説を確認するために2つの研究を行いました:
  • 3,432人の男女を平均で11.3年間にわたり追跡調査した研究では、アルツハイマー病を発症するリスクがヘルペスの再活性化によって2倍になることが示されました。
  • アルツハイマー病患者360人の血液サンプルを、認知症(アルツハイマー病も認知症の1つ)ではない人たち360人の血液サンプルと比較したところ、ヘルペス・ウイルスに感染している場合にはアルツハイマー病を発症するリスクが2倍になっていました。 サンプルの採取は、アルツハイマー病と診断される9.6年前(平均)に行われました。
ヘルペス感染症は薬で治せるようになってきているので、研究グループは、ヘルペスを薬で治療することによってアルツハイマー病を予防できるかどうかを調べる研究を2~3年のうちに行いたいと考えています。