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ヘルペスの再発防止にはグルタミン酸?

(2017年6月) "Journal of Clinical Investigation" に掲載された米国立衛生研究所(NIH)の研究によると、ヘルペス・ウイルス感染症の再発抑制にグルタミン酸のサプリメントが有効かもしれません。

研究の方法

HSV-1をマウスに、そしてHSV-2をモルモットに人為的に感染させ、感染から2週間後に実験動物の一部にグルタミン酸のサプリメントを投与し、グルタミン酸を投与しなかったグループと比較しました。

結果

マウスでもモルモットでも、グルタミン酸を投与されたグループは投与されなかったグループに比べてHSVが再活性化することが減っていました。

解説

実験動物の細胞を調べた結果から、グルタミン酸はT細胞の感染症への応答を向上させることによってHSVの再活性化を軽減するのだと考えられます。

これまでの研究では、HSVの再発を抑えるのにHSV特異的T細胞が重要であることや、活性化したT細胞がグルタミン酸の代謝増加を要求することがわかっていました。

今後、臨床試験を複数行ってグルタミン酸によるHSV抑制がヒトにおいても有効であるかどうかを確認する必要があります。

グルタミン酸について

グルタミン酸はアミノ酸の一種で、エネルギー生産やヌクレオチドの合成において重要となりますが、体内で十分な量が合成されるので必須アミノ酸ではありません。

旨味の成分として有名で、昆布・椎茸・魚介類などダシの材料となる食品に豊富に含まれています。 また、「味の素」の主要成分であるグルタミン酸ナトリウムの中間原料として用いられています。

致死量は体重1kgあたり20g。

ヘルペス感染症について

人類の大部分は何らかの(場合によっては複数の)種類のヘルペスに感染しています。 ヘルペス・ウイルスの一種であるエプスタイン‐バー・ウイルス(EBV)には、人類の90%超が感染していると言われています。

ヘルペス・ウイルスには何種類もありますが、ヒトに感染するヘルペス・ウイルスは5種類で、そのうちのHSV-1(単純ヘルペス・ウイルス-1)が主として口唇ヘルペスの原因となり、HSV-2が主として性器ヘルペスの原因となります(最近ではHSV-1が性器ヘルペスの原因となるケースが増加しつつある)。

ヘルペス・ウイルスは感染しても深刻な症状を引き起こすことは少なく、EBVやサイトメガロ・ウイルスのように感染者の大部分で症状が生じません(*)
(*) ただしEBVは様々なガンのリスクを増加させる。 サイトメガロ・ウイルスも胎児に感染すると胎児の死亡や先天性奇形の原因となることがある。

ただし、ヘルペス・ウイルスは根治させる治療法が存在しないため再発が問題となります。 ヘルペス感染症の症状が出たときに抗ウイルス薬で治療しても、症状が現れる期間が短くなるだけでウイルスを完全に体内から排除することはできません。

2012年にオハイオ州立大学が発表した研究によると、ヘルペス感染症はヘルペス以外のウイルスやバクテリアが体内に侵入して来るなど、免疫系が細菌による新たな脅威に直面したときに再発します。