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脳腫瘍患者にビタミンCを大量に投与したときの安全性; ビタミンCがガンに効く理由

(2017年3月) アイオワ大学の研究チームが行った臨床試験で、脳腫瘍(多形膠芽腫)の患者に大量のビタミンC を投与しても深刻な副作用は生じないという結果になりました。

また、この研究チームが "Cancer Cell" 誌に発表した研究では、高用量のビタミンC により多形膠芽腫と非小細胞肺ガンのガン細胞でのみ鉄の代謝に変化が生じ、それによって放射線や抗ガン剤によるガン治療の効果がアップするメカニズムが明らかにされています。

臨床試験
試験の方法
脳腫瘍の一種である多形膠芽腫の患者で放射線療法と化学療法を受けている11人の被験者に、9か月間にわたり大量のビタミンC を静脈経由で投与しました。 ビタミンC の投与量は推奨摂取量の800~1千倍(*)、投与頻度は最初の2か月間が週に3回で残りの7ヶ月間は週に2回というものでした。

(*) ビタミンC の血中濃度が2万μMに達するまで投与した。 一般的な成人のビタミンC 血中濃度は70μM。
結果

ビタミンC の大量投与による深刻な問題は生じず、トイレに行く回数が増えるとか、ドライマウスになるといった程度の副作用でした。 血圧が上がる患者が数名いましたが、ビタミンC 注入後に速やかに治まりました。

また、多形膠芽腫の生存期間は標準的な治療だけを行う場合には14~16ヶ月間ほどですが、今回の被験者の生存期間は18~22ヶ月間と4~6ヶ月も生存期間が延びていました。

解説

ビタミンC を大量に投与する必要があるのは、ヒトの血液中においてビタミンC の活性が2時間ほどで失われてしまうからです。

ビタミンC を大量に投与しても安全なのは、ビタミンC が大量に存在しても正常な細胞には害が無いためです。

ビタミンC がガン細胞に効果を発揮する理由

腫瘍組織には、ミトコンドリアの異常代謝の副産物として、酸化還元活性を有する鉄分子が異常に大量に存在します。 そして、この鉄分子にビタミンC が反応して過酸化水素が形成され、最終的にはフリー・ラジカルが発生します。

こうして発生したフリー・ラジカルは、ガン細胞のDNAを傷つけて細胞死を促進したり放射線や抗ガン剤のガン細胞への効き目を増幅したりします。 ビタミンC により発生したフリーラジカルが正常な細胞のDNAを傷つけることはありません。