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高脂肪食と腸ガンの関係には腸内細菌が関与していた

(2014年9月) "Nature" 誌に掲載された研究によると、高脂肪の食事による腸のガンのリスク増加には腸内細菌が関与していると考えられます。

実験①
この研究では、腸ガンを発症しやすい遺伝子を持ったマウスを2つのグループに分けて、一方のグループには普通のエサを与え、もう一方には高脂肪のエサを与えました。

また、マウスの糞を研究期間の開始時およびそれ以降も定期的に採取して、腸内の細菌コミュニティーの構成も調査しました。

そうするとやがて、高脂肪のエサを与えたグループの方で腸内細菌の構成に変化が出てきました。 特定の数種類の細菌が増え、別の数種類の細菌が減ってきたのです。 同時に、高脂肪のエサを与えたグループでは、腸ガンに対する免疫防御力が落ちて、ガンになるマウスが増えてきました。

実験②
そこで研究グループは、腸ガンに対抗する能力に腸内細菌コミュニティーが与える影響を調べるために、一部のマウス(腸ガンを発症しやすい遺伝子を持ったマウス)の腸内細菌コミュニティーを一掃してみました。 その結果、腸ガンの発生率が減少しました。

(原文を見る限りでは、高脂肪のエサを与えていたグループの中から選んだマウスの腸内細菌コミュニティーを一掃したら、腸ガンの発生率が、普通のエサのグループと同程度になったということでも無いようです)

実験③
さらに、同じ腸ガンを発症しやすい遺伝子を持ったマウス同士の間で、腸腫瘍が生じているマウス群から腫瘍が生じていないマウス群に腸内細菌を移植したところ、腸内細菌を移植されたマウス群では、移植されなかったマウス群によりも高率で腫瘍が生じました。

これらの結果から研究グループは、高脂肪食、腸内細菌、および腸ガンが関係しているとしています。

また、今回の結果からは、腸ガンのリスクを下げる方法として、食事内容を変更する(脂肪分の少ない食事にする)以外に、高脂肪の食事をしている人の腸内に健常な腸内細菌コミュニティーを再構築するというのも有効である可能性が示唆されます。
腸内細菌コミュニティーの再構築にはプロバイオティクスを用いるのでしょうか? それとも糞便移植を用いるのでしょうか? いずれにしても、今回の研究で示されたのが、食事内容で腸内細菌の構成が変わるということなので、健常な腸内細菌コミュニティーを再構築したところで、高脂肪の食事を続けているならば再び不健全な腸内細菌コミュニティーに戻ってしまうのではないでしょうか。