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ブドウ糖果糖液糖で心臓病や脳卒中のリスクが増加

(2015年5月) "American Journal of Clinical Nutrition" オンライン版に掲載されたカリフォルニア大学デイビス校の研究により、清涼飲料水などに用いられている異性化糖(ブドウ糖果糖液糖や高果糖液糖など)によって心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが増加することが確認されました。

過去の研究では、世界各国で糖類の消費量が増加するにつれて心血管疾患による死亡のリスクも増加していることが明らかになっています。 今回の研究は、糖分が添加された飲料と心血管疾患のリスク要因との間に用量依存性の直接的な相関関係が存在する(*)ことを示す研究としては初のものです。
(*) 「用量依存性の直接的な相関関係が存在する」というのは、異性化糖の摂取量が多いほど心血管疾患のリスクが増えていて、心血管疾患の様々な要因を考慮しても両者の関係の統計学的な有意性が消滅しなかったという意味でしょう。
研究の方法

この研究では18~40才の男女85人を次の4つのグループに分けて15日間を過ごしてもらいました:

  1. 異性化糖を一切摂らないグループ
  2. 1日の必要カロリーの10%を異性化糖が添加された飲料で摂るグループ
  3. 1日の必要カロリーの17.5%を異性化糖が添加された飲料で摂るグループ
  4. 1日の必要カロリーの25%を異性化糖が添加された飲料で摂るグループ
1のグループには、異性化糖飲料の代わりに人工甘味料のアスパルテームで甘味付けされた飲料を飲んでもらいました。 参考記事: 人工甘味料が使われた飲料でも心臓発作のリスクが増加?

1日の必要カロリー
1日の必要カロリーは年齢・性別・運動量などにより異なりますが、1,600~3,000キロカロリー程度です。 その10%と言うと160~300キロカロリー。

コカコーラのカロリー
参考までに、コカコーラのカロリーは100mlあたり45キロカロリーなので、500mlでは225キロカロリーとなります。 ただし、コカコーラには果糖ブドウ糖液糖の他に砂糖も使われているので、45キロカロリーのすべてが果糖ブドウ糖液糖ではありません。

15日間の試験期間の最初と最後に、血液検査を行って血中のリポタンパク質(コレステロール)、トリグリセライド(≒中性脂肪)、尿酸の量を測定しました。 これらはいずれも心血管疾患のリスクを示す指標として知られています。

結果

心血管疾患リスク要因は異性化糖の摂取量が多いグループほど増加が顕著でしたが、2のグループでもLDL(悪玉)コレステロールとトリグリセライドの量が試験開始当初よりも増えていました。

また、コレステロールとトリグリセライドに関しては、異性化糖によるリスク増加(数値の悪化)が女性よりも男性で顕著で、異性化糖によるリスク増加は体重増加から独立的(*) でした。
(*) コレステロールとトリグリセライドの数値は一般的に体重が増加すると悪化するけれども、今回のデータを分析する時に体重増加によりコレステロールとトリグリセライドが悪化したと思われる分を差し引いてもなお、異性化糖を摂ったグループではコレステロールとトリグリセライドの数値が悪化していたということでしょう。
研究者は次のように述べています:
「今回の結果により、ヒトが糖類の過剰摂取による悪影響に実に敏感であることが明確に示されました」