HDLコレステロール値が高すぎると心臓病以外で死亡するリスクが増加②

(2018年1月) "Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology" 誌に掲載されたラフバラー大学(英国)の研究によると、善玉とされるHDLコレステロールであっても多過ぎると良くないかもしれません。

研究の方法

英国に住む平均年齢58才の男女3万7千人(男性47%)を対象とする調査で、コレステロール値などを調べたのち、9年間近くにわたり死亡状況を追跡調査しました。

結果

追跡期間中に 2,250人が死亡しました。

総死亡リスク

HDLコレステロール値と総死亡リスク(死因を問わない死亡リスク)との関係を示すグラフはU字型のラインを描きました。 HDLコレステロール値が中程度の場合に総死亡リスクが低く、HDLコレステロール値が低い場合にも高い場合にも総死亡リスクが高かったのです。

HDLコレステロール値が中程度(1.5~1.99mmol/L)である場合に比べて、HDLコレステロール値がそれよりも低い場合には23%および高い場合には25%、それぞれ総死亡リスクが増加していました。

心臓病や脳卒中で死亡するリスク

心臓病や脳卒中で死亡するリスクに限ると、HDLコレステロール値と死亡リスクとの関係を示すグラフは直線的で、HDLコレステロール値が最も低い場合に49%のリスク増加となりました(HDLコレステロール値が高い場合にはリスクが増えていなかった)。

関連研究

  1. "Journal of the American College of Cardiology" に掲載されたカナダの研究でも、HDLコレステロール値が非常に高い場合に心臓病や脳卒中以外の原因で死亡することが多いという結果になっています。 HDLコレステロール値が低い場合には総死亡リスクが増加していました。
  2. "Clinical Journal of the American Society of Nephrology" に掲載された米国の研究でも、HDLコレステロール値が低い場合にも高い場合にも総死亡リスクが増加するという結果になっています。
  3. "European Heart Journal" に掲載されたデンマークの研究でも、HDLコレステロール値が極端に高い人は総死亡リスクが高いという結果になっています。
  4. "Science" 誌に掲載された米国の研究によると、HDLコレステロール値が異様に高い人で死亡リスクが増加するのは、遺伝子的にHDLコレステロール値が高くなる人がいて、そういう人の死亡リスクが高いためかもしれません。