ビタミンBの摂り過ぎで骨折のリスクが増加?

(2019年5月) "JAMA Network Open" に掲載されたハーバード大学などによる研究で、ビタミンB6とB12の摂取量(食事から摂るものとサプリメントで摂るものの合計)が多い閉経後の女性は骨折のリスクが高いという結果になりました。

過去の研究(ランダム化比較試験)でも、大量のビタミンB6をビタミンB12と組み合わせて摂取している人は股関節骨折のリスクが高いという結果になっています。

研究の方法

米国に住む閉経後の女性7万6千人弱を対象に、1984年6月から 2014年5月にかけて、4年に1回の頻度で食生活をアンケートで調べたほか股関節骨折の状況などを2年に1回の頻度で調べました。

結果

追跡期間中に 2,304人が股関節を骨折しました。

累積平均摂取量の中央値は、ビタミンB6が3.6mg/日でビタミンB12は12.1μg/日というものでした。 ビタミンB6にしてもB12にしても「RDA(栄養所要量)を遥かに超える摂取量だ」と研究グループは警鐘を鳴らしています。

日本の栄養ガイドラインでは、ビタミンB6の推奨量は成人女性で1.2mg/日および成人男性で1.4mg/日、そして摂取上限量は40~60mg/日とされています。 ビタミンB12は成人の所要量が男女ともに2.4μg/日で上限量は定められていません。

DHCのビタミンBサプリでは1日分の摂取量として、ビタミンB6が30mg、ビタミンB12が20μgとなっています。 2粒で1日分なので、15mgと10μgだけ摂ることも可能です。
  • ビタミンB6の摂取量が35mg/日以上の場合には2mg/日未満の場合に比べて、骨折リスクが29%増加していました。
  • ビタミンB12の摂取量が30μg/日以上の場合には5μg/日未満の場合に比べて、骨折リスクが25%増加していました(ただし、95% CI, 0.98-1.58)。
  • ビタミンB6摂取量が35mg/日以上かつビタミンB12摂取量が20μg/日以上の場合には、ビタミンB6摂取量が2mg/日未満かつビタミンB12摂取量が10μg/日未満の場合に比べて、骨折リスクが47%増加していました。

解説

ビタミンBで骨折のリスクが増加する理由は不明ですが、研究グループによると、高濃度のビタミンB6がエストロゲンのステロイド受容体への影響を相殺するために骨の喪失が加速されるのかもしれません。 高濃度のピリドキシン(食品やサプリに含有される不活性型ビタミンB6)がリン酸ピリドキサール(活性型ビタミンB6)の作用を邪魔するとも述べています。 ビタミンB6の摂取量が100mg/日以上に及ぶと神経症状が生じることがあるので、それで転倒(そして骨折)のリスクが増加している可能性も考えられますが、その可能性は低いようです。

ビタミンB12に関しては骨折リスク増加に関して推測される理由すら見当たりません。 研究グループはビタミンB12は骨折リスクの増加につながらないと見ている節があります。