「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

マンションの高層階に住んでいると心停止になったときに助かりにくい

(2016年1月) "Canadian Medical Association Journal" に掲載された St. Michael's Hospital の研究によると、住んでいるマンションの階が高いほど心停止が生じた場合の生存率が下がります。 階の高さゆえに(*)救急隊員が患者のもとに到着して蘇生措置を行うまでに要する時間が長くなるためです。
(*) 具体的には、エレベーターでの移動に時間がかかる、患者の所在場所から救急車までの距離が長くなったりするなど。
研究の方法

2007年1月から 2012年12月までの間にトロント市において病院外で心停止を起こし救急隊員による蘇生措置を受けた成人 8,216人のデータを調査しました。

結果

心停止後の入院から退院するまでの期間における生存率はデータ全体で3.8%でした。 地上2階以下の階に住んでいたグループの生存率が4.2%だったのに対して、地上3階以上の階に住んでいたグループの生存率は2.6%でした。

研究チームが現場を実際に調べたところ階が高くなるほどに生存率が下がっており、17階以上の階に住んでいたグループの生存率は0.9%(216件中2件)に過ぎませんでした。 さらに、地上26階以上に住んでいたグループ(30件)では生存率が0%でした。

生存者の特徴
心停止を生き延びた人には次の傾向がありました:
  • 比較的若い。
  • 心停止時に周囲に人がいた。
  • 周囲の人が心肺蘇生(CPR)を行った。
  • 救急隊員が到着するまでの時間が短かった。
アドバイス
今回の結果から以下が推奨されます:
  • AED(自動体外式除細動器)をマンションの玄関口やエレベーター内などに設置しておく。 今回のデータでは、AEDの使用率は非常に低いものでした。
  • 救急隊員にも消防隊員と同じようにエレベーター用のマスターキーを支給しておく。
  • 119番への通報がなされたときにマンションのセキュリティ管理者に救急車がやって来るという通知が届くようにしておく。 通知を受けたセキュリティ管理者は、救急隊員の受け入れ態勢を整えておく。
    救急隊員がスムーズにマンションに入れるようにしたり、エレベーターを地上一階で待機させておいたりします。