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HIV 完治2番目のケース、子供では初

米国のジョンズ・ホプキンス大学の研究者が、子供では初めて、HIV の治療に成功したことを報告しています。

この子供は米国ミシシッピー州に住む2歳の女児で、出生時に母親と共に HIV と診断され、抗HIV薬を保有している大きな病院に移された後、直ちに治療が開始されました。

治療が開始されたのは生後わずか30時間で、HIV検査の結果もまだ明らかになっていない時でした。 母親の HIV感染が明らかになったのが出産時になってからで妊娠中にはHIVの治療を受けていなかったため、子供が HIV に感染しているリスクが高いと医師が判断したのだそうです。

女児のHIV治療に用いられたのは、子供のHIV患者に普通に用いられる三種類の抗HIV薬のカクテルで、母親がHIVの治療を受けていなかったため、投与量は通常より多かったそうです。

抗HIV薬の効果はあり、経過は順調だったのですが、生後18ヶ月の時点で母親が病院に来なくなり、女児のその後の容態もわからなくなっていました。

そして、五ヵ月後(生後23ヶ月)に女児が再び医師の診察を受けたとき、女児の体内からウイルスが検出されなくなっていました。 その後、研究グループが複数回にわたって行った高感度検査でも、HIV が体内から消滅していることが確認されました。 HIVが検出されないまま、現時点で10ヶ月になります。

今回のケースからは、HIV が体内に潜伏場所を形成する前に、薬で退治された可能性が示唆されます。

研究者は次のように述べています:

今回の HIV 完治が抗 HIV 薬のみによるものであるとするならば、(HIV の治療という観点から)成人の免疫系との違いや、子供で HIV が完治するための要因など、新生児の免疫系についてもっと調べる必要があります。


これまでに確認されている HIV の完全治癒例は、ティモシー・ブラウン(当時41歳)というドイツ在住の米国人のケースだけです。

ブラウンさんは HIV で治療されているときに白血病と診断されました。 白血病のために免疫系を破壊された彼は、遺伝子変異により白血病への免疫を持っている人の幹細胞を移植されたのですが、この幹細胞移植によって白血病だけでなく、HIV まで完治してしまいました。

彼は2012年(HIVが消滅した状態で5年経過)に記者会見を開きました。 同年に行われた検査では彼の体組織からHIVの痕跡が検出されましたが、ブラウンさんは「それはHIVの死骸に過ぎず、増殖はできない」と主張しています。