PC使用時間と海馬のサイズの関係

(2016年3月) "Journal of Alzheimer's Disease" に掲載されたオレゴン健康・科学大学の研究で、自宅でのPCの使用時間と海馬のサイズの間に関係が見られるという結果になりました。
海馬は記憶力に関与する脳の領域です。 海馬の萎縮はアルツハイマー病のリスク増加の兆候です。
研究の方法

認知機能が正常な65才超の高齢者27人の海馬をMRIでスキャンして、自宅でのPC使用時間と照らし合わせました。 PC使用時間は1ヶ月分を調査(マウスにセンサーを付けて動作を記録した)したデータから1日あたりの平均使用時間を割り出しました。

結果

PCの平均使用時間は51.3分/日でした。 PC使用時間と海馬のサイズの間に、1日あたりのPC使用時間が1時間多いと海馬のサイズが0.25%大きいという関係が見られました。

解説
このような結果(*)になった理由として研究チームは、PCの使用に認知機能の複数の分野(実行機能(†)・注意力・記憶力など)が要求されるからではないかと考えています。

(*) 上述の数字では「PC使用時間が長いと海馬のサイズが大きい」という表現ですが、プレスリリースやベースとなった論文では「PC使用時間が短いと海馬のサイズが小さい」という表現が用いられています。

(†) 計画立案能力・判断力・思考力・問題解決能力・感情抑制力など。 注意力や記憶力も実行機能に含まれることがあります。
今後
研究チームは今後、今回の被験者たちを追跡調査してPC使用時間が短く海馬サイズが小さい人で認知機能が衰えるかどうかを調べる予定です。(今回の研究では実際の認知機能は調べていない)