トウガラシを食べる人は死ににくい

(2017年1月) "PLoS ONE" に掲載されたバーモント大学(米国)の研究で、月に1回でもトウガラシを食べる人は死亡リスクが低いという結果になりました。

研究の方法
18才以上の米国人男女1万6千人超のトウガラシ摂取頻度(過去1ヶ月間)を調べた後、20年近くにわたり死亡状況を追跡調査しました。 データの総量は27万人年(*)超になります。
(*) 人年=人数×年数
結果

トウガラシを月に1回も食べないグループ(1万2千人)の総死亡率が33.6%だったのに対して、トウガラシを少なくとも月に1回は食べるというグループ(4千人)の総死亡率は21.6%でした。

死亡リスクに影響する様々な要因を考慮しつつ両グループの死亡リスクを比較したところ、トウガラシを食べないグループに比べて、トウガラシを食べるグループのほうが総死亡リスク(*)13%低いという結果になりました。
(*) 死因を問わない総死亡リスク。
死因別の分析
死因別(*)の分析では、いずれの死因においても統計学的な有意性が失われましたが、これは死因別にデータを分けるとそれぞれのデータ量が不十分になるからだと思われます。
(*) 心臓病・ガン・慢性肺疾患など。

統計学的には有意でなかったものの、トウガラシを食べるグループにおけるリスク低下が比較的明確だったのは心臓病と脳卒中でした。

解説
トウガラシを食べるグループで死亡リスクが低下していたのは、トウガラシの成分であるカプサイシンのお陰かもしれません。 カプサイシンは、肥満を抑制したり冠動脈の血流を調節したりする細胞的・分子的なメカニズムに関与していると考えられています。 肥満の抑制により、心臓病・脳卒中・糖尿病・肺疾患などのリスクが低減されます。
カプサイシンは、食欲を抑制したり白色脂肪の褐色化を促進したりする効果があると考えられています。
カプサイシンには抗菌作用もあるので、腸内細菌を介して死亡リスクに影響している可能性も考えられます。