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掃除をサボっていると脂肪細胞が増殖し始める恐れ

(2017年7月) "Environmental Science & Technology" に掲載されたデューク大学(米国)の研究によると、掃除をこまめに行うのが肥満の予防につながる可能性があるのかもしれません。

マウスの細胞を用いた実験で、ハウス・ダスト(一般の家庭に発生するホコリ)に含まれる環境汚染物質の一種である内分泌かく乱物質(EDC)により細胞における中性脂肪の蓄積が促進されたのです。

EDCについて

難燃剤(火災の被害を抑制するために電気製品や建材などに用いられる)やフタル酸エステル、ビスフェノールA(BPA)といったEDCは人体に入ると、エストロゲンなどのホルモンの作用に干渉して、生殖・神経・免疫などの機能に悪影響を及ぼします。 動物実験では、子供の頃にEDCにさらされると後に太りやすくなることが示されています。

EDCの使用を控える動きが広まりつつあるものの、多くの家庭用品には未だEDCが使用されています。 そして、家庭用品に含有されるEDCはハウス・ダストに混じり、鼻・口・皮膚から体内へと入り込みます。

フタル酸エステルについて

フタル酸エステルは、合成香料(人工的に精製・製造される香料)や、パーソナルケア用品、プラスティック製の食品容器、ビニール製のフロアリング、防虫剤、シャワーカーテン、自動車のハンドルやダッシュボード(新しい車の匂いにもフタル酸エステルが含まれています)など様々なものに用いられています。

フタル酸エステルは、喘息や湿疹のリスクを増加させたり、生殖やホルモンに悪影響を及ぼすと考えられています。 米国ではフタル酸エステルの子供用製品(玩具やチャイルド・ケア用品)への使用が禁止されています。

ファーストフードを食べることが多い人はフタル酸エステルの検出量が多いというもあります。

研究の方法

ノースカロライナの11の家庭からハウス・ダストを採集し、ハウス・ダストの抽出物がマウスの細胞に及ぼす影響を調べました。 実験に用いられたのは、「3T3-L1」と呼ばれ中性脂肪(トリグリセライド)の蓄積に化合物が及ぼす影響を調べたいときに使われることの多い前駆脂肪細胞です。

結果

  • 11の家庭のうち7つの家庭のハウス・ダスト抽出物で、ハウス・ダスト抽出物により3T3-L1細胞が成熟脂肪細胞へと変化して中性脂肪を蓄えるようになりました。
  • 11の家庭のうち9つの家庭のハウス・ダスト抽出物で、3T3-L1細胞の分裂が促進されて、前駆脂肪細胞が増えました。
  • ハウス・ダスト抽出物が3T3-L1細胞に影響を及ぼさなかったのは、11の家庭のうち1つの家庭だけでした。
  • 今回調査した44種類のEDCのうち脂肪を増やす効果が強かったのは、ピラクロストロビン(農薬の成分)・TBPDP(難燃剤)・フタル酸ジプチル(接着剤やネイルポリッシュに使われる可塑剤)でした。
  • 3μgという少量のハウス・ダストであっても、測定可能な影響が3T3-L1細胞に生じました。 米国環境保護局の推算によると、1日あたり50mg(5万μg)のハウス・ダストが子供の体内に入っています。