HPV で食道ガンのリスクが3倍に

(2013年8月) "PLOS ONE" に掲載されたニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)のレビューによると、ヒト・パピローマ ウイルス(HPV)によって食道ガンになるリスクが3倍に増加します。 HPVは子宮・肛門・喉などのガンの原因となることが知られています。

今回のレビューでは、食道ガンの一種である食道扁平上皮ガンの患者と健常者を比較したこれまでの研究すべての結果を集めて分析しました。 これらの研究ではいずれも、食道ガンの患者と健常者それぞれの食道から採取した組織サンプルでHPVの有無を検査しました。

レビューの方法

21の研究のデータを分析しました。 データに含まれる人数は食道ガンの患者が 1,223人、健常者が 1,415人でした。

結果

食道ガンの患者のうち35%の食道組織からHPVが検出されたのに対して、食道組織からHPVが検出された健常者は27%でした。 研究グループの計算によると、これはHPVが食道に感染することによって、食道ガンのリスクが3倍に増加することになります。

一般的な人においては1万人に4.4人の割合で食道ガンになるとされていますが、これがHPVによって1万人に13.2人の割合にまで増加するというわけです。

解説

食道ガンのリスク要因としては喫煙と過度の飲酒が挙げられますが、仮にHPVも食道ガンの原因になっているとすれば、Cervarix や Gardasil などのHPVのワクチンを用いることによって、食道ガンのリスクを減らすことが出来ます。

留意点
今回の研究グループには、HPVのワクチン(Cervarix と Gardasil)を生産している製薬会社に関与している研究者が参加しているうえに、今回の研究はこれらの製薬会社から資金提供を受けています。