ホルモン補充療法で急性膵炎のリスクが増加

"Canadian Medical Association Journal"(2014年1月)に掲載された研究によると、更年期障害の治療に用いられるホルモン補充療法(HRT)によって、急性膵炎になるリスクが1.5倍に増加します。
急性膵炎
急性膵炎とは、膵臓(すいぞう)に突然起こる炎症のことで、その症状は軽度の不快感から重度の痛みまで様々です。 場合によっては命に関わることもあります。
過去にも HRT と急性膵炎との関係は報告されていますが、今回のように大規模な研究に基づくエビデンスはは殆どありませんでした。

この研究では、すでに閉経している48才のスェーデン人女性 31,494人を、1997~2010年までの13年間にわたって追跡調査しました。

1997年の時点において、HRT を利用中だったのは42%にあたる 13,113人、そして過去に利用したことがあるのは12%にあたる 3,660人でした。 HRT を利用中だった 13,113人のうち、ホットフラッシュの全身性の治療(薬を局所的に塗るのに対して飲むなど)を受けていたのは52%にあたる 6,795人、膣の乾燥の局所的な治療を受けていたのは32%にあたる 4,148人、そしてこれら療法の治療を受けていたのは16%にあたる 2,170人でした。

データを分析した結果 、HRT の利用者または利用歴のある人では、急性膵炎になるリスクが HRT の利用歴の無い人に比べて1.5倍に増加していました。 この数字は、急性膵炎のリスク要因を考慮したうえでのものです。

急性膵炎になるリスクは、(ホットフラッシュの?)全身性の治療を受けている女性、または HRT による治療期間が10年を超える女性で特に高くなっていました。

研究グループは次のように記しています:

「現時点においては、HRT の過去の利用によっても(急性膵炎の)リスクが増加する、あるいは利用期間の長さに従ってリスクが増加する理由の説明となりそうなデータは存在しない」

「現時点では推測に過ぎないが、外因性の(体内で生産されたのではない)エストロゲンが膵臓に永続的な変化をもたらしており、その変化にとって HRT の利用期間が重要である可能性がある」


研究グループは、今後の研究で今回の結果が確認された場合には、HRT を処方する際に急性膵炎のリスクも考慮することが必要になると述べています。