ホルモン補充療法で乳ガンのリスクが増加

(2013年3月) "Journal of the National Cancer Institute" に掲載された Los Angeles Biomedical Research Institute の研究によると、更年期障害の治療でホルモン補充療法(HRT)を受ける女性では乳ガン(カテゴリーを問わない)のリスクが増加します。

今回の研究では、HRT(エストロゲンとプロゲスチンの両方を用いるもの)により、11年間のうちに乳ガンになるリスクが1.5倍に増加するという結果でした。 侵攻性の(増殖が早い)トリプル・ネガティブの(トリネガ)乳ガンと、エストロゲン受容体陽性型など再発リスクが低いタイプの乳ガンの両方のリスクが増加していました。

HRTと乳ガンリスクの関係は、2002年に初めて指摘されました。 エストロゲンとプロゲスチンを用いたHRTにより浸潤性乳ガンのリスクが増加していることが明らかになったのです。

今回の研究では、閉経後の女性(50~79歳)4万人以上のデータを分析しました。 これらの女性の約半数が研究期間中の一時期に HRT(エストロゲンとプロゲスチン)を受けており、もう半数はHRTを一切受けていませんでした。

研究期間中に浸潤性乳ガンと診断されたのは約2,200人。 HRTを受けていなかったグループでは毎年0.42%が乳ガンと診断されていたのに対して、HRTを受けていたグループではこの数字は0.6%でした。 乳ガンと診断された後の生存率に関しては、両グループで違いはありませんでした。

HRTで乳ガンのリスクが増加する理由

乳房の組織は、ホルモン(例えば、妊娠後に母乳の生産を引き起こすホルモン)に反応します。 HRTによって乳ガンのリスクが増加するのは、この反応が過大化あるいは加速されるためです。

HRTはさらに、乳ガンをマンモグラフィーで検知し難くなる原因ともなります。 HRTを受けている女性では、乳ガンが進行してしまってから乳ガンが発見される傾向にあります。 (調べてみましたが理由はわかりませんでした)