高血圧の薬で加齢黄斑変性のリスクが増加

(2014年5月) "Ophthalmology" 誌に掲載されたウィスコンシン大学の研究によると、高血圧の治療に用いられる血管拡張薬により加齢黄斑変性(AMD)のリスクが増加する可能性があります。
加齢(老人性)黄斑変性
加齢黄斑変性(AMD)は網膜が劣化する病気で、高齢者における視力低下や失明の主因となっています。 AMD のリスク要因としては加齢の他に、遺伝や喫煙などがあります。 高血圧(高血圧の薬ではなくて)自体と AMD との関係を調べた研究もこれまでに複数行われていますが、それらの結果は一致していません。
研究の内容

年齢や性別などのリスク要因を考慮して 5,000人近くの男女(43~86才)のデータを分析したところ、アプレソリンとロニテンなどの血管拡張薬の服用により初期段階の AMD になるリスクが72%増加していました。 血管拡張薬を服用していなかったグループでは AMD の兆候が出るリスクが8.2%だったのに対して、血管拡張薬を服用していたグループでは19.1%だったのです。

さらに、テノルミンやロプレッサーなどの経口β遮断薬を服用していたグループでは、新生血管 AMD のリスクが71%増加していました。 新生血管 AMD とは、AMD の中でも症状が進行して視力が損なわれる危険が高いもののことです。 経口β遮断薬を服用していなかったグループでは新生血管 AMD のリスクが0.5%だったのに対して、服用していたグループでは1.2%でした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「今回の研究では、高血圧の薬と AMD のリスクとの間に有意な関係が見られましたが、この関係を高血圧薬の投薬方針に反映させる前に、複数の臨床試験を行って今回と同じ結果になることを確認する必要があります。 さらに、高血圧薬が AMD のリスクに影響する原因を調べる必要もあります」