生活習慣の改善による高血圧コントロール (レビュー)

(2018年8月) クエイド-イ-アザーム大学(パキスタン)などの研究グループが、高血圧の非薬物的なコントロールについてまとめたレビューを "Irish Journal of Medical Science" に発表しています。
Sajid Mahmood et al. "Non-pharmacological management of hypertension: in the light of current research"

レビューの要旨

  1. 高血圧は心臓病や脳卒中の主要なリスク要因である。
  2. 高血圧のコントロールには、薬物的なアプローチと非薬物的なアプローチの両方が必要かもしれない。
  3. 非薬物的なアプローチとは、食生活の改善・運動習慣・ストレス回避・飲酒量の制限などの生活習慣の改善のことである。
  4. 非薬物的なアプローチは、降圧剤の使用量を減らしたり高血圧前症から本格的な高血圧へと進行するのを遅らせたりするうえで有用である。
  5. 高血圧をコントロールするための食生活としては、DASHダイエットまたはメディテラネアン・ダイエットといった食生活ガイドラインを採用すると良いだろう。
  6. この2つの食生活ガイドラインは、果物・野菜・穀類・乳製品のほかミネラル類(カリウム/マグネシウム/カルシウム/リン)が豊富な食品を推奨する点で共通している。
  7. 血圧を下げるうえではナトリウムの制限が最も重要である。
  8. DASHダイエットを採用するだけで、降圧剤を一種類服用するのに匹敵する効果が期待できる。
  9. 高血圧コントロールにおいて食生活の改善に次いで大切なのは、運動と減量(体重を減らす)である。 飲酒量も最低限に留めるのが良い。
  10. 生活習慣の改善は食生活や運動など複数の面において並行的に行い、それを継続することが重要である。
  11. 心臓や血管に合併症が生じていないステージ1の高血圧患者(*)であれば、降圧剤を服用せずに生活習慣の改善だけで6~12ヶ月間を過ごしてみて、その後も降圧剤なしでやっていけるかどうかを判断してもよい。
    (*) 収縮期(最高)血圧が140~159mmHgまたは拡張期(最低)血圧が90~99mmHg。

DASHダイエットについて

DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)は高血圧を予防することを目的として考案された食事法です。

DASHでは、①野菜・果物・全粒穀物・ナッツ類・豆類を積極的に食べ、②赤身肉・糖類・塩分を控えめに摂り、③低脂肪の食事を心がけます。

DASHダイエットは、血圧を下げる効果とLDLコレステロールを下げる効果が認められており、心臓や血管などの健康に良いとして推奨されています。