高血圧のリスク要因


高血圧のリスク要因は次のようなものです:

加齢
高血圧のリスクは加齢によって増加します。 男性では45才くらいから、女性では65才くらいから、高血圧の人の割合が増加します。
肥満

体重が多いほど、全身に酸素と栄養分を運ぶために必要となる血液の量も増えます。 そして、全身を巡る血液の量が増えるほどに、動脈にかかる圧力も増します。

体重が増えつつある場合には、運動量を増やしたり摂取カロリーを減らしたりして体重が増えないようにしましょう。 すでに肥満している人の場合、体重を4~5kg減らすだけでも血圧が下がりやすくなります。

運動不足

運動をしない人では心拍数が増加します。 心拍数が多いということは心臓と動脈にかかる負担が多いということです。 運動不足は肥満の原因にもなるため、間接的にも高血圧のリスク要因となります。 運動量は、中強度の運動を1週間あたり300分行うことを目標にしましょう。

運動習慣があってもデスクワークなどで座って過ごす時間が長いと血圧や心臓に良くないという研究や、長時間を座って過ごす合間に立ち上がって3分間ほど歩き回るだけで収縮期(最高)血圧が10ポイント下がるという結果になった研究もあります。
喫煙

タバコを吸ったときに一時的に血圧が上がるだけでなく、タバコの成分には動脈壁の内皮を傷つけるものがあります。 タバコによって動脈壁が傷つくと、血管が狭くなって血圧が上がります。 受動喫煙(喫煙者の周囲にいる人が副流煙を吸い込むこと)でも血圧は上がります。

塩分の摂り過ぎ

塩分(ナトリウム)を多く含む食事を続けていると、体内に留まる水分の量が増加するために血圧が上がります。

米国心臓協会は、1日あたりのナトリウム摂取量を 1,500mg以下とすることを推奨しています。 ナトリウム摂取量を 1,500mg/日以下とすることによって血圧が下がり心臓病や脳卒中のリスクも下がることが期待できます。 1,500mg/日以下が無理な場合、塩分摂取量を 2,400mg/日以下に減らすだけでも健康にとって有益です。
カリウム不足

カリウムには、細胞内に存在するナトリウムの量を調節する作用があります。 食事から摂取するカリウムの量が不足すると、血中にナトリウムが過剰に蓄積することがあります。

100%果汁のジュース 炭酸飲料などに比べると健康的なイメージがある100%果汁のジュースですが、朝食に毎朝フルーツ・ジュースを飲むという人では、そうでない人に比べて中心収縮期血圧が 3~4 mmHg 高いという結果になった研究があります。
ビタミンD不足

複数の臨床試験で、ビタミンD 不足と高血圧との関係が指摘されています。 腎臓で作られる酵素を介してビタミンD が血圧に影響している可能性があります。

過度の飲酒

ほろ酔い程度の飲酒量であれば、血管がリラックスするために血圧は下がります。 しかし、大量に飲酒すると、アルコールを分解するために内臓の動きが活発になり、それに伴い血圧も上がります。 体内からアルコールが無くなると血圧も元に戻りますが、毎日のように飲酒していると血圧が高い状態が常態化して元に戻らなくなってしまいます。

米国心臓協会が推奨する飲酒量は、男性では1日2杯まで、女性では1日1杯までです。

ストレス

大きなストレスは一時的に血圧が高くなる原因となります。 そして、このストレスを紛らわすために過食、喫煙、飲酒などに頼ってしまうと、慢性的な高血圧のリスクが増加します。

睡眠不足

睡眠にはストレス・ホルモンを調整して神経系を健康に保つ作用があると考えられています。 したがって、睡眠時間が不足するとストレス・ホルモンをコントロールできなくなり高血圧になる可能性があります。

睡眠時間が一晩あたり6時間未満であると血圧が高くなるリスクが増加し、5時間未満であると高血圧の発症または悪化のリスクが増加する可能性があります。 一晩あたり7~8時間の睡眠を取るのが高血圧の予防にも治療にも有効だと思われます。
妊娠中の高血圧

妊娠中に妊娠高血圧や妊娠高血圧腎症になった女性は、のちに高血圧になるリスクが増加します。

幼少期の栄養失調

"Hypertension" 誌(2014年6月)に掲載されたジャマイカの研究によると、5才になるまでを栄養失調で育った人では、20~30代の頃に拡張期血圧と末梢抵抗(小さな血管における血流抵抗)が高くなり、心臓のポンプ効率が低下します。 これらはいずれも高血圧のリスク要因です。

遺伝的な体質
高血圧になるかどうかは遺伝的な要因にも左右されます。