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高血圧の概要


高血圧とは

高血圧とは、血液が動脈の血管壁に与える圧力が強くなり過ぎる現象のことです。 高血圧は、血管や心臓にダメージを与えて、心臓疾患などの健康問題の原因となります。 血圧が2ポイント増加すると、心臓疾患で死亡するリスクが7%、脳卒中で死亡するリスクが10%増加するという結果になった研究もあります。

動脈の血圧

血管には動脈と静脈の2種類があります。 動脈は酸素や栄養素を全身に運び、静脈は老廃物と二酸化炭素を全身から回収します。 心臓を動力源として血液が積極的に送り出される側に当たるのが動脈なので、静脈に比べて動脈のほうが血圧が高くなります。

動脈の血管壁
血管壁とは血管の壁のことです。 動脈の血管壁は三層構造(内側から外に向かって、内膜⇒中膜⇒外膜)になっていますが、高血圧に関してこの中で特に重要なのは中膜です。 中膜は筋肉で出来ており、そのために動脈に弾力性が備わっているのですが、中膜が厚みを増すと高血圧が悪化したり、動脈の弾力性が失われて動脈硬化になったりします。

血圧は、心臓が送り出す血液の量と、動脈中で血流に対して生じる抵抗の程度により決定されます。 すなわち、心臓が送り出す血液の量が多いほど、そして動脈が狭いほど、血圧が高くなります。

高血圧は何年もかけて進行する病気ですが、高血圧を放置していると動脈硬化や、心臓発作、脳卒中、腎臓疾患のリスクが増加します。

高血圧は老化現象の1種であり、高血圧の人の割合は年齢とともに増加します。 正常血圧の人の割合が50代では50%前後なのが、70代では30%にまで減ってしまいます。

症状

高血圧は症状や兆候が現れないケースが大部分です。 血圧計の数値が危険なほどに高くなっていても何の症状も兆候も無いことが珍しくありません。

命に関わりかねない極度の高血圧(高血圧緊急症)になってようやく、ごく一部の人において鈍い頭痛や、めまい、鼻血などの症状が起こるだけです。 高血圧緊急症以外の高血圧の人ではむしろ頭痛が少ない傾向にあるとする研究や、高血圧で緊急治療を受けた人の17%しか鼻血が出なかったとする研究があります。

高血圧緊急症では、次のような症状が表れることがあります:

  • ひどい頭痛
  • 疲労感、あるいは錯乱状態
  • 視覚障害
  • 胸の痛み
  • 呼吸困難
  • 心拍の乱れ
  • 血尿
  • 鼻血
  • 胸や、首、耳に動悸(心臓の激しい鼓動)を感じる
高血圧の自覚があるのは半分以下
高血圧の人の1/3が高血圧を自覚していないと言われていますが、先進国および発展途上国17ヶ国 154,000人のデータを分析した2013年9月の研究("Journal of the American Medical Association" に掲載)によると、高血圧である35~70歳の成人のうち高血圧の自覚があるのは46.5%に過ぎず、きちんと治療を受けている人にいたっては32.5%でしかありません。

2015年7月に発表されたフロリダ大学の研究によると、高血圧の有無を握力で判定できるかもしれません。

高血圧と間違われがちな症状

次のような症状が高血圧の症状と間違われがちです:

  • 眼の血斑
    眼の血斑(結膜下の出血)は糖尿病や高血圧の人に多い症状ですが、糖尿病や高血圧が眼の血斑の原因となるわけではありません。 目の前に浮遊物があるように見えるのは、高血圧とは無関係です。 ただし、高血圧が眼の神経を傷つけることはあります(眼の検査でわかります)。
  • ホットフラッシュ
    ホットフラッシュ(のぼせ、火照り)は、顔の血管が拡張することで生じます。 ホットフラッシュは、日光への当たり過ぎ、寒さ、風、香辛料の効いた食品、熱い飲み物、スキンケア製品、心理的なストレス、飲酒、運動などが原因で突然生じます。 心理的ストレスや、飲酒、運動などはいずれも血圧が一時的に上昇する要因であるため、ホットフラッシュが生じている間は血圧が通常よりも高い状態にありますが、高血圧がホットフラッシュの原因になるというわけではありません。
  • めまい
    眩暈(めまい)は、高血圧薬の副作用の1つではありますが、高血圧が原因で眩暈が生じるわけではありません。 ただし、眩暈は高血圧の症状ではありませんが、脳卒中の主要な兆候の1つなので、看過は禁物です。 眩暈や、バランス感覚の喪失(フラフラする感じ)、歩行困難などがある場合には医師の診察を受けましょう。
高血圧の種類

高血圧は「本態性高血圧」と「続発性高血圧」の2種類に区別できます:

本態性(一次性)高血圧

これといった原因もなく何年もかけて自然になる高血圧のことを本態性高血圧といいます。 血圧が上がる要因は、体質(遺伝)、塩分の摂り過ぎ、ストレス、肥満、飲酒、動脈硬化などです。

本態性高血圧には、上記のような良性のもの以外に悪性のものも稀にあります。 悪性高血圧は良性高血圧と違って、2~3年という短期間のうちに高血圧を発症し、合併症(ここでは高血圧により引き起こされる病気)を引き起こします。 悪性高血圧は比較的若い年齢の人に多く、高血圧も重症になる傾向があります。

続発性(二次性)高血圧

何らかの疾患や投薬など特定の原因があって起こる高血圧のことを続発性高血圧と言います。 このタイプの高血圧は急速に起こり、本態性高血圧より重症となる傾向にあります。 続発性高血圧の原因には次のようなものがあります:

  • 腎臓の疾患(腎性高血圧)
  • 副腎腫瘍(内分泌性高血圧)
  • 甲状腺の疾患(内分泌性高血圧)
  • 先天性の血管異常
  • 避妊薬や、風邪薬、一部の処方薬などの薬
  • コカインなどの違法薬物
  • 過度の飲酒、慢性的な飲酒
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)
  • 妊娠(妊娠高血圧)