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血圧もアルツハイマー病のリスク要因です

テキサス大学の研究(2013年3月)によると、遺伝的にアルツハイマー病になりやすい人では、高血圧によってアルツハイマー病のリスクが増加します。

アポリポ蛋白質 E 4(以下、"APOE4")という対立遺伝子がアルツハイマー病の遺伝的なリスク要因なのですが、今回の研究では、この AplpE4 を持っている人が高血圧を放置していると、AplpE4 もしくは高血圧のいずれか一方だけ、またはいずれも持っていない人と比べて、βアミロイドのプラークが多く蓄積することが明らかになりました。 (米国では?)5人に1人がAPOE4 を持っています。

この研究では、147人の成人(30~89歳)を、高血圧・高血圧治療の有無、および APOE4 の有無で区分して脳のスキャン画像でプラークの蓄積具合を比較しました。

その結果、APOE4 と高血圧の両方を持っている人にプラークの蓄積が多いだけでなく、高血圧を放置しているうえに APOE4 を持っているグループで、プラークの蓄積が最も多い傾向にあることがわかりました。

脈圧が大きい人はアルツハイマー病になりやすい?
"Neurology" 誌(2013年11月?)に掲載された米国の研究では、脈圧が大きいとアルツハイマー病になりやすい可能性が示唆されています。 脈圧が大きい中年の人では、脳脊髄液にアルツハイマー病のバイオマーカー(リスクの指標となる物質)が含まれていることが多かったのです。

脈圧とは最高血圧と最低血圧の差のことです。 例えば 最高血圧が 140 mmHg で、最低血圧が80 mmHg であれば、脈圧は 60 mmHg ということになります。 脈圧は年を取るにつれて大きくなるので、血管の老化の目安として用いられます。

この研究で、アルツハイマー病の症状の無い55~100才の人たち177人の脈圧を測り、脳脊髄液のサンプルを採取したところ、脈圧が大きい人では小さい人よりも、アルツハイマー病の原因とされる2種類のタンパク質(アミロイドβとリン酸化タウ(p-τ))が脳脊髄液中に含まれていることが多かったのです。

脈圧が10ポイント増えるごとに、脳脊髄液中に含まれるリン酸化タウの量が平均で 1.5 ピコグラム/ミリリットル増えていました。

ただし、上記の結果は55~70才の人のデータに限った場合の話で、71~100才の人のデータには当てはまりません。 (71才以上の人の場合には、脈圧が大きさと脳脊髄液中にアルツハイマー病のバイオマーカーが含まれている率とが比例していなかったということでしょう)

研究者によると、他の研究でも、中年期における高血圧が後の認知症のリスク要因であることが示されています。

家庭で出来る高血圧と認知症の対策
アルツハイマー病は現在のところ治療法がありませんが、高血圧はライフスタイルの見直しや投薬により大いに改善できます。

複数の研究により、ヨーグルトや、緑茶に含まれる L-テアニン、リンゴ酢などの食品に血圧を下げる効果があることが示されています。 参考記事: 高血圧の薬が不要になる5つの食べ物

また、アルツハイマー病にはカフェインが、そして軽度認知障害にはココアに含まれるフラバノールが有効である可能性が示唆されています。

緑茶には上記のL-テアニン以外にEGCGという化合物も含まれており、こちらはアルツハイマー病に有効である可能性があります。 ビタミンDも、アルツハイマー病のリスク減少高血圧の改善」の両方に有効である可能性があるので、お茶とビタミンDは、直接的および血圧改善を通じて間接的に、アルツハイマー病のリスクを下げる効果があるかもしれないわけですね。

日常的に運動を行うのも、認知症と高血圧の両方に効果があるようです。 高血圧には有酸素運動が有効であるのに加えて、アルツハイマー病そのものではありませんが、血管性認知症脳の萎縮の軽減に有効だそうです。