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高血圧の人はコーヒーで心臓発作のリスクが増加?

(2015年8月) "ESC Congress 2015" で発表された(のちに "International Journal of Cardiology" に掲載)イタリアの研究で、軽度の高血圧がある若年成人においてはコーヒー飲用習慣がある場合に心血管イベント(主として心臓発作)のリスクが増加するという結果になりました。

研究の方法
この研究では、I度(軽症)高血圧だが糖尿病ではない18~45才の男女 1,201人をコーヒー飲用量に応じて次の3つのグループに分けて、12.5年間にわたる追跡調査を行い心血管リスクとの関係を調べました:
  1. まったく飲まない(26.3%)
  2. 1~3杯/日を飲む(62.7%)
  3. 4杯以上/日を飲む(10.0%)
コーヒー飲用習慣がある人は年を取っていてBMIが高い傾向にありました。
結果
心血管イベント

追跡期間中に発生した心血管イベントの件数は60件で、その80%が心臓発作でした(残りの20%は脳卒中・末梢動脈疾患(PAD)・腎不全など)。 心血管イベントの発生率は、グループ1で2.2%、グループ2で7%、グループ3で14%でした。

年齢・性別・家族歴・BMI・コレステロール値・24時間血圧・高血圧の有無・糖尿病前症の有無(後述)などすべてを考慮した最終的な分析において、グループ3はグループ1に比べて心血管イベントのリスクが3.4倍でした。
高血圧

グループ3はグループ1に比べて、高血圧の治療が必要となるリスクが1.5倍ほどに増加していました。

糖尿病前症

高血圧が重症になると2型糖尿病を発症することが多いので、この研究ではコーヒー飲用習慣と糖尿病前症になるリスクとの関係も調べましたが、グループ3では糖尿病前症になるリスクが2倍に増加していました。

ただし、コーヒー飲用習慣が関わる糖尿病前症のリスク増加は、遺伝子(CYP1A2)的にカフェインの代謝速度が遅い人で顕著で、グループ3のうちカフェイン代謝速度が遅い人に限ると糖尿病前症のリスクは2.78倍でした。

研究者は次のように述べています:
「カフェイン代謝速度が遅い人は、糖代謝がカフェインの悪影響にさらされる時間が長くなります。 肥満である場合やコーヒーの飲用量が多い場合には(コーヒーによる糖尿病前症の)リスクがさらに増加します。 したがって、コーヒーが糖尿病前症のリスクに及ぼす影響は1日あたりのコーヒー飲用量と遺伝子により決定されます」
結論
研究者は次のように結論づけています:

「軽度の高血圧を抱えている若年成人にコーヒー飲用習慣がある場合には、心血管イベントのリスクが増加していました。 このリスク増加は少なくとも部分的には、コーヒー飲用が血圧と糖代謝に及ぼす長期的な影響によるものと思われます」

「軽度の高血圧を抱えている若年成人は、コーヒー飲用によって高血圧悪化や糖尿病発症のリスクが増加しかねないことに留意してコーヒーの飲み過ぎに注意しましょう」