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体質的に高中性脂肪血症になりやすい人がいる

(2017年4月) "New England Journal of Medicine" に掲載されたカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)と群馬大学の研究によると、高中性脂肪血症の原因が食事脂肪の摂り過ぎではなく自己抗体であるケースがあります。

高中性脂肪血症について

高中性脂肪(トリグリセライド)血症の人は、心臓病・脳卒中・膵炎などになりやすくなります。 高中性脂肪血症は、糖尿病を放置していたり肥満していたりするのが原因で生じたり悪化したりします。

遺伝子変異体による高中性脂肪血症

血流中の中性脂肪(トリグリセライド)は、毛細血管の内部においてリポ蛋白質リパーゼ(LPL)と呼ばれる酵素により分解されます。

これまでの研究により、GPIHBP1というタンパク質がLPLと結合して毛細血管内部へと移動することが明らかにされています。 GPIHBP1が不在のとき、LPLは組織と組織の間のスペースで立ち往生してしまって、トリグリセライドを分解するという役目を果たせなくなります。

2010年のUCLAの研究では、高中性脂肪血症の患者の一部が次の2種類の遺伝子変異体いずれかの持ち主であることが明らかになっていました:
  • GPIHBP1の側に問題があってがLPLと結合できなくなる遺伝子
  • LPLの側に問題があってGPIHBP1と結合できなくなる遺伝子
いずれの場合にも、LPLが毛細血管へとたどり着けなくなります。
自己抗体による高中性脂肪血症

今回の研究では、遺伝子的にはGPIHBP1にもLPLにも問題が無くても、GPIHBP1に対する自己抗体が存在するためにGPIHBP1とLPLが結合できず、LPLが毛細血管へと移動できないという人がいることが明らかになりました。

今回の研究でGPIHBP1に対する自己抗体を持っていることが特定されたのは6名でしたが、このうちの4名は人体に備わる様々なタンパク質に対して自己抗体を作り出してしまう自己免疫障害を抱えている人たちでした。

また、この6名のうちの1人は妊婦でしたが、妊婦ではGPIHBP1に対する自己抗体が胎盤を通過して胎児にまで到達し、生まれた子供が重度の高中性脂肪血症となりました(母親の自己抗体が時間経過により消滅すると高中性脂肪血症も治まった)。

GPIHBP1に対する自己抗体に起因する高中性脂肪血症には免疫抑制剤が有効かもしれません。