運動後の水風呂に筋肉痛や疲労回復の効果は無かった(2/3ページ)

水風呂はむしろ運動前に

(2014年4月) "British Journal of Sports Medicine" に掲載されたオランダのレビューによると、暑い季節には競技の前に水風呂や氷風呂、アイス・パック、アイス・ベストなどで体を冷やしておくことでパフォーマンスが向上します。

暑いときに体を人為的に冷やすことによって、体を冷やすのに消費されるエネルギーを節約できるので、筋肉の運動に必要な酸素を輸送するのに使える血液が増えるのだと考えられます。

また、運動をすると深部体温(臓器など体内部の温度)が上昇するため熱中症のリスクが増加しますが、今回のレビューによると、事前冷却によって深部体温が39℃から38℃へと下がります。 このことから、競技パフォーマンスの向上だけでなく熱中症などの予防にも事前冷却が有効であると考えられます。

レビューの対象

このレビューでは、過去に行われた28の研究の結果を調査しました。 いずれの研究も気温が30℃以上となる環境における男性アスリートを対象としたもので、そのうちの20は運動前の「事前冷却」をテーマとするものでした。

レビューの結果

これらの研究の結果を総合的に分析したところ、運動前あるいは運動中の冷却もパフォーマンスの向上に有効だという結果になりました。 運動前/運動中の冷却によるパフォーマンス向上は、各手法の平均で6.7%でした。 この6.7%というのは、シビアな勝負においては勝ち負けに大きく影響する数字ですし、一般的な競技においても違いを実感できる数字だと考えられます。

ただし研究者によると、このレビューで分析した研究には小規模のものが多く含まれていたため、結果の信頼性に若干の不安が残ります。