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アイスティーを飲む人にコレラ感染者が多い原因とは?

(2017年4月) "PLOS Neglected Tropical Diseases" に掲載されたパスツール研究所(ベトナム)の研究で、なぜかコレラ感染者にアイス・ティーを飲む人が多いことが判明しました。出典: Cholera returns to southern Vietnam in an outbreak associated with consuming unsafe water through iced tea

研究の方法
ベトナムのベンチェ省で 2010年5月3日~8月3日のうちにコレラと診断された患者60人(男性1に対して女性2の比率)と、この60人と居住自治体・性別・年齢層において釣り合う健康な人たち240人とで衛生状態や飲食物(*)を比較しました。
(*) 水洗トイレの有無・水源がトイレ付近か否か・飲料水が水道水か雨水か川の水か・川の水で行水したり歯磨きしたりするか否か・生野菜を食べるか否かなど。
結果

生水を飲むことがある場合(2.62倍)や水源がトイレの近くにある場合(4.36倍)などにコレラになるリスク(オッズ比)が高かったのに加えて、アイスティーを飲む習慣がある場合にもコレラのリスクが8.4倍に増加していました。

逆にコレラのリスクが低かったのは、雨水を貯めたものを飲料水として使用する場合(83%のリスク低下)や野菜を加熱調理して食べる場合(78%のリスク低下)などでした。

原因は氷?

アイスティーに使用する氷がコレラ菌に汚染されていたために、アイスティーを飲む人にコレラ感染者が多かったのかもしれません。

ベトナムの農村地域には冷蔵庫が普及していないため、大部分の人はアイスティーに使用する氷を氷業者から購入します。 そして、氷業者が氷を作るのに使う水は、一般的に井戸水や河川水です。

この井戸水や河川水がコレラ菌に汚染されていたために、アイスティーに使う氷もコレラ菌に汚染されており、それゆえにアイスティーを飲む人にコレラ感染者が多かったのかもしれません。

コレラが流行した地域で氷の商業的な製造・輸送・販売・供給を禁止したのちにコレラの発生件数が減少したことから、アイスティーに使用する氷の汚染がコレラ流行の原因である疑惑が濃厚です。

今回の調査ではアイスティーに実際に使用された氷を検査していませんが、インドネシアのジャカルタで 2012年に行われた調査では、市販の氷の35%、そして飲料の24%からコレラ菌が検出されています。