免疫細胞 ILC2 が白色脂肪のブライト化に関与

(2014年12月) "Nature" 誌に掲載されたコーネル大学の研究で次の結果となりました:

  • 普通体重の人と肥満者それぞれから採取した腹部脂肪のサンプルを調査したところ、肥満者の腹部脂肪には ILC2 という免疫細胞が少なかった。 これは以前にマウスを用いて行われた調査と同じ結果。
    ILC2
    ILC2(type 2 innate lymphoid cell)は免疫細胞の一種で、感染症に対抗したり、アレルギーに関与したりしていると考えられています。
  • 細胞間の化学伝達物質として機能するインターロイキン-33という免疫タンパク質をマウスに注射したところ、マウスの白色脂肪において ILC2 が増強(boost)されて、カロリー燃焼量が増加した。 ILC2 はブライト脂肪の量を増やすことによってカロリー燃焼量を増加させていると思われる。
    ブライト脂肪
    ヒトの褐色脂肪は成長に従って失われてゆき成人では大部分が消滅してしまっていますが、白色脂肪が変化して褐色脂肪と同じカロリー燃焼作用を持つようになることがあります。 このように白色脂肪から変化してできた褐色細胞のことをブライト脂肪と言います(ブラウン+ホワイト=ブライト)。 ブライト脂肪には「ベージュ脂肪」という別名もあります。

これらの結果から、肥満の一因が ILC2 が適切に機能していないことにある可能性が示唆されます。

免疫系とカロリー消費との関係

免疫系の直接的な仕事は感染症と闘うことですが、研究者によると免疫系の一部は進化の過程において、逆境時に脂肪組織に指示を送って体の代謝を変える(栄養を十分に摂れないときに脂肪組織に指示を送ってカロリー消費量を抑える)機能を獲得してきたのだと考えられます。

怪我をしたりアレルギー反応が生じたりすると、体が「代謝亢進」状態になってカロリー消費量が増えることがあります。