ギプスによる筋肉の衰えを抑制するのにイメージ・トレーニングが有効

(2015年1月)"Journal of Neurophysiology" に掲載されたオハイオ大学の研究によると、骨折後のギプスなどで長期間体を動かせない状態にあるときの筋肉の衰えを抑制するのにイメージ・トレーニングが有効です。

研究の方法
この研究では、44人の成人を次の3つのグループに分けて、4週間を過ごしてもらいました:
  • 普段と同じようにして過ごすグループ(比較対照用のグループ。15人)
  • 肘のすぐ下から指先までを固定して手と手首を動かせない状態で過ごすグループ(15人)
  • 2.のグループと同様に手首を動かせない状態で過ごすけれども手首の運動をするところをイメージするグループ(14人)
3のグループのイメージ・トレーニングの内容は、5秒間にわたって手首を強く縮め、5秒間休むというイメージを音声ガイダンスに従って頭に描くということを4セット繰り返し、この4セットを1分間のインターバルを挟んで13回繰り返すというものでした。 13回を1セッションとし、3のグループには一週間あたり5セッションを行ってもらいました。

ややこしいですが、{(運動5秒間+休憩5秒間)×4セット+1分間のインターバル}×13回を1セッション(所要時間20分超)とし、1日1セッションを週に5回行うということになります。

「手首を縮める」という動作がよくわかりませんが、手首の屈筋の運動ということなので、手首の力だけで手の平に当たっている重たい物を動かすイメージでしょうか。 上述の音声ガイダンスの内容は「左手首で押す、押す、押す... はいストップ」というもので、参考にならないので割愛しました。
結果

4週間の試験期間終了後、2と3のグループはいずれも1のグループに比べて、動かせなかった手の筋力が落ちていましたが、イメージ・トレーニングを行った3のグループは、2のグループに比べて筋力の落ち方が半分で済んでいました(1に比べて、2は45%、3は24%の筋力低下だった)。

さらに、神経系が筋肉を完全に活性化する能力(随意活性 "voluntary activation")の回復も、2より3のグループの方が速やかでした。

研究チームによると、イメージ・トレーニングによって大脳皮質が定期的に活性化されることで、筋力と随意活性の衰退が緩和されるのではないかと思われます。