放射線検査はガンの原因にならない?

(2015年7月) CTスキャンやレントゲンなどのように放射線を利用する検査がガンの原因になるとする研究が複数発表されていますが、 "Technology in Cancer Research & Treatment" に掲載された論文によると、この種の研究には欠陥があります。出典: Does Radiation From X-Rays and CT Scans Really Cause Cancer?

高用量かつ高線量率の放射線に発ガン性があるのは事実ですが、低用量で低線量率の放射線によりガンが生じることを明確に示すデータは存在しません。

1. 分析にLNTが用いられている

放射線を用いる検査とガンとの関係を調べた研究では一般的に、しきい値なし直線(LNT)と呼ばれるモデルを用いてデータを分析していますが、このLNTでは高用量の放射線の発ガン作用をそのまま低用量の放射線に適用することによって低用量の放射線の発ガン性を推定します。 研究者は、発ガンリスクの推測にLNTを用いるのが適切であるかどうかが、そもそも疑わしいと主張しています。

2. 低用量の放射線によるダメージは修復される

次に、人体には低用量の放射線によるダメージを修復する能力が備わっています。 例えば、人体において自然に発生する遺伝子変異の率は、環境中に存在する低用量の自然放射線による遺伝子変異の率の250万倍です(そして人体で自然に発生する遺伝子変異は無事に修復されている)。

したがって仮にLNTモデルによる分析が正しいにしても、低用量の低用量の放射線を用いた検査によって遺伝子変異の量がわずかに増える程度では、人体に備わる防御機構の処理能力を超えることは無いと思われます。

3. その他
最近発表された2つの研究において、子供にCTスキャンを使用することでガンのリスクが増加するという結果になっていますが、そのリスクの増加はCTスキャンの低用量放射線によるものではなくCTスキャン検査を必要とせしめた身体の異常によるものであると思われます。
著者について
論文の著者2名のうちの一方はロヨラ大学(米国)の教授で、もう一方は Nuclear Physics Enterprises という企業のCEOを務めています。 社名からして放射線関連の機器を扱う会社ではないでしょうか。