腎機能が損なわれた患者では、LDLコレステロール値は心臓発作リスクのマーカーとならない

(2013年5月) 一般的にはLDLコレステロールの値が高いと心臓病のリスクが増加しますが、"Journal of the American Society of Nephrology" に掲載されたアルバータ大学の研究によると、腎機能が損なわれた患者ではLDLコレステロール値は心臓発作リスクのマーカーとして有効ではありません。

研究の方法

この研究では、慢性腎臓病の成人患者 836,060人のデータを分析しました。 このうち、4年間の追跡期間中に心臓発作で入院したのは 7,762人で、その大部分が研究開始の時点で腎機能が最低水準にあった患者でした。

結果
この研究の要点は次の通りです:
  • 慢性的な腎臓病の患者の中でも腎機能が非常に低い場合には、腎機能が比較的良好な患者に比べて、4年間という期間における心臓発作のリスクが高くなる。
  • 腎機能が比較的良好な患者に比べて腎機能が非常に低い患者では、LDLコレステロールと心臓発作のリスクとの相関関係が弱くなる。
研究者は次のように述べています:
「腎機能が損なわれている慢性腎臓病患者については、スタチンの使用など心臓の治療を行うかどうかの判断を、LDLコレステロール値に基づいて行うことはできないということです」

したがって、腎臓病患者の心血管リスクの評価にはLDLコレステロール値以外の指標を用いる必要があります。