人差し指と薬指の長さから膝関節炎のリスクを判定

(2014年3月) "Rheumatology" 誌に掲載されたオーストラリアの研究によると、薬指に比べて人差し指の長さが短い(ディジット比が小さい)人ほど人工関節置換手術が必要となるほど重度の変形性関節炎が膝に生じるリスクが増加すると考えられます。

ディジット比は男性では小さく女性では大きい傾向にありますが、このような 2D:4D の男女差はホルモンによるものだと考えられています。 一方、変形性関節炎の発生にもホルモンが関与すると考えられており、変形性関節炎の患者数に男女差があるのもその為だと思われます。
つまり、『性ホルモンが変形性関節炎のリスクと 2D:4D の両方に影響するため、2D:4D を変形性関節炎のリスクの指標として用いれるのではないか』というわけです。 この研究チームのリーダーがおそらく中国系(Yuanyuan Wang 博士)なのですが、指の長さという身体的な特徴から病気のリスクを判定するというのが東洋医学っぽいですね。

この研究では、13,681人の高齢者の手の写真などのデータを分析しました。 10.5年間のあいだに変形性関節炎が原因で膝の人工関節全置換術を受けたのは524人、股間の人工関節全置換術を受けたのは454人でした。

2D:4D の値が低い(人差し指の方が短い)ほど、膝の人工関節全置換術のリスクは増加していましたが、股間の人工関節全置換術のリスクは有意には増加していませんでした。

2D:4D の値と人工関節全置換術のリスクの関係は、右手と左手どちらの場合にも見られましたが、右手の 2D:4D の値の方が人工関節全置換術のリスクが強く表れていました。 (つまり、人工関節全置換術のリスクを判断するには、左手よりも右手で人差し指と薬指の長さを比べるのが良い)

2D:4D の値は「人差し指長さ÷薬指の長さ」で求めるので、人差し指の長さ=薬指の長さである場合には1に、人差し指の長さ>薬指の長さである場合には1より大きく、そして人差し指の長さ<薬指の長さである場合には1より小さい小数になります。

今回の研究によると、2D:4D の値が小さいほど膝の関節炎のリスクが増加するということなので、

薬指の方が短い ⇒ 薬指と人差し指の長さが同じ ⇒ 人差し指の方が短い

という順に膝関節炎のリスクが上がってゆくようだというわけです。 そして、同じように人差し指の方が短い人の間でも、薬指に比べて人差し指が短いほどリスクが増加します。
研究者は次のように述べています:

「過去の研究に運動能力が 2D:4D と逆相関関係にある(人差し指の方が短い〔つまり男性的である〕ほど運動能力が高い)ことを示すものがありますが、これは別に、人差し指が短い人ほど普段の運動量が多いということを示しているわけではありません。

今回の研究で 2D:4D 値が低い(人差し指が短い)人ほど膝関節炎のリスクが増加するという結果になった理由の一部は運動の激しさにあるかもしれませんが、骨・軟骨・軟組織(筋肉や脂肪、血管など)へのホルモンの影響も無視できないと思います」