ワーキング・メモリーが不十分な幼児は高校で落第する恐れ

(2015年11月) "Intelligence" 誌に掲載されたモントレアル大学などの研究で、ワーキング・メモリーが不十分な幼児は高校で落第するリスクが高いという結果になりました。

研究の方法

Imitation Sorting Task と呼ばれる手法を用いて 1,824人の幼児のワーキング・メモリーを2.5才および3.5才の時点で計測し、13才の春の時点での学業能力(学校の成績・IQ検査の結果・学業に対する姿勢)と照らし合わせました。

結果

Imitation Sorting Task のスコアが1点上がるごとに、高校で落第するリスクが高いグループに属するリスクが26%下がっていました。 この結果は、IQ検査の結果/社会・経済的状態(収入・職業・学歴など)/性別などを考慮した後のものです。

社会経済的状態が高かったり知能が高かったりする場合にも落第リスクが下がっていました。

ワーキング・メモリー不足の兆候

ワーキング・メモリーが十分でない子供は、気が散りやすかったり、一連の指示をまとめて出されたときに実行できなかったり、残り時間を把握できないために作業を完了できなかったりします。

また、自己制御が上手にできないために、自室・机・ロッカーなどの居住空間の整理がなされていないケースが多数です。

対策
以下は研究者が提示する対策です:
  • 幼児のうちにワーキング・メモリーを改善するには、他の子供と「ごっこ遊び」をすると良いでしょう。 ごっこ遊びでは、自分と他の子供の役割を覚えておくことが要求されるためにワーキング・メモリーが鍛えられます。
  • 最近流行の「マインドフルネス」を子供に勧めるのも良いでしょう。 マインドフルネスでは、その時点で自分がやっていることに集中します。参考記事: マインドフルな性質の人は太りにくい 幼児であってもマインドフルネス瞑想法を行うことが出来ます。
  • 子供が少し大きくなったら、サッカー・縄跳び・バスケットボールなどの激しい有酸素運動をやらせると効果的です。 有酸素運動により集中力とワーキング・メモリーが向上することが過去の研究で示されています。
  • 特に男の子の場合には、礼儀・自己規律・謙譲心に重きを置く空手や柔道などの武道も、認知制御(*)とワーキング・メモリーを養うのに有益です。
    (*) 認知制御 - cognitive control。 目標を達成するためにその場の状況に合わせて情報の処理と行動を変化させる柔軟性のこと。
  • テレビや、テレビゲーム、スマートホンなどの利用時間を制限するのも有効でしょう。 この手の電子機器により認知制御が損なわれる可能性があります。