炎症マーカーで介入の必要な肥満者を特定できる

(2013年8月) "Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism" に掲載されたアイルランドの研究によると、肥満であっても炎症が少ない人は代謝的に健康である傾向にあります。

肥満者では一般的に糖尿病や心臓疾患のリスクが増加しますが、肥満者の一部には、代謝病のリスク要因である高血圧や高コレステロールが見られない人も存在します。 このような肥満のことを「代謝的に健康な肥満」と言います。 肥満者全体の35%ほどが、この「代謝的に健康な肥満」に該当するだろうと推測されています。

研究の内容

この研究では、50~69歳の人たち 2,040人の生活習慣や身体状況、および血液サンプルのデータを分析しました。

血液サンプルを用いて複数の炎症マーカーを検査したところ、代謝的に健康な人では普通体重であるか肥満であるかに関わらず、代謝的に不健康な人に比べて、白血球(炎症により増加する)と 急性期反応タンパク質(感染症や炎症性疾患の際に分泌される炎症性サイトカインに反応して肝臓から血中に放出されるタンパク質)の数が少なく、抗炎症作用を有するホルモンであるアディポネクチンが多いという結果でした。

コメント
研究者は次のように述べています:

「今回の研究によると、肥満者も普通体重の人も含めて、代謝的に健康な人では、炎症マーカーの数値が低い水準にありました。 BMI に関わらず、炎症状態が良好な人は代謝の状態も良好である傾向にあったのです」

「公衆衛生的な観点から言えば、肥満者の中でも糖尿病と心臓病のリスクが高い人を特定する手段が必要ですが、炎症マーカーを用いて、糖尿病と心臓病の予防治療が必要な人(肥満者)と、そうでない人を区別できるでしょう」