脂肪組織の炎症と高血糖の関係

(2015年2月) "Cell" 誌に掲載されたイェール大学などの研究により、インスリンが肝臓によるグルコース(ブドウ糖)の生産を阻害する正常時の分子的メカニズムと、このメカニズムが2型糖尿病患者では作動せず高血糖となる理由が明らかになりました。

これまで、インスリンが肝臓に直接作用することによって肝臓によるグルコース生産を抑制しているとする説が優勢でしたが、研究グループは、インスリンが脂肪の分解を阻害し、それによって肝臓のアセチル補酵素A(CoA)の量が減少することによって肝臓によるグルコース生産が抑制されているのではないかと仮説を立てました。

そして研究グループは、肝臓のアセチルCoAがアミノ酸および乳酸からグルコースへの変換(糖新生)の調節において鍵となることを示しました。

研究グループはさらに、この(インスリンがグルコース生産を抑制するという)プロセスが脂肪組織の炎症のために反転(reversal)することによって肝臓でのグルコース生産量が増加して高血糖になることを、高脂肪食を与えたげっ歯類およびインスリン抵抗のある若者で明らかにしました。

2型糖尿病用の既存の薬の中に糖尿病の根本原因をターゲットにするものは存在しないため、今回の発見は新しい治療法の開発につながる可能性があります。