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炎症を促進するタイプの食生活で大腸ガンのリスクが増加

(2017年9月) "Nutrition" 誌に掲載されたニューファンドランド・メモリアル大学(カナダ)などの研究によると、炎症を促進するタイプの食生活を送っている人は大腸ガンになりやすいかもしれません。

炎症について

炎症は病原体や有害物質に対して免疫系が引き起こす自然免疫反応の一部で、傷の治癒を促進したり病原菌を抑制したりするのに役立ちます。

しかし、炎症は健全な組織まで傷つけてしまうので、感染症や怪我などが生じていないときにも炎症が持続する慢性的な炎症は体にとって有害です。 慢性的な炎症はガン・糖尿病・心臓病・リウマチ・抑鬱・アルツハイマー病など様々な病気の一因になると考えられています。

慢性炎症の原因となるのは、体内から排除されずに残っている病原体・有害物質・免疫系の異常・運動不足・肥満・遺伝的体質・加齢などですが、食事内容も慢性炎症に大きく影響します。

食生活の炎症度と健康

食生活の炎症度とは、普段の食事に含まれ炎症に影響する各種成分がトータルで炎症を促進するか、それとも抑制するかということです。 サウス・カロライナ大学の研究では、食生活の炎症度を判定するのに食事炎症指数(DII)という尺度が用いられます。

これまでの類似研究で、食生活の炎症度が高い人は大腸ガン・乳ガン・膀胱ガン・胃ガン・喉咽頭ガン・腎臓ガン・前立腺ガン・動脈硬化・心血管疾患(心臓病や脳卒中)・心血管疾患による死亡・早死に・肥満・骨折・抑鬱・精神的苦悩・歯牙喪失のリスクが高いことが示されています。

研究の方法

大腸ガン患者547人と健常者685人の食生活などを調査してDIIのスコアを割り出しました。 そして、DIIスコアに応じてデータを4つのグループに分けて、グループ間で大腸ガンのリスクを比較しました。

結果

DIIスコアの平均値は-0.81で、範囲は-5.19~+6.93でした。 大腸ガン患者のグループのDIIスコア平均値は-0.73で、健常者グループの平均値は-0.89でした。

全体的に食生活が少し抗炎症に傾いているけれど、健常者グループのほうが食生活が抗炎症的だということになります。

DIIスコアが最も高い(食生活が炎症を促進するタイプである)グループはDIIスコアが最も低いグループに比べて、大腸ガンのリスクが65%高くなっていました。

過去の類似研究

  • "Journal of Nutrition"(2017年2月)に掲載された研究では、日系を含む様々な人種から成る45~75才の米国人19万人の食生活を調べたのち20年以上にわたり大腸ガンの発生状況を追跡調査して、、DIIスコアが(食生活の炎症度が)最も高いグループは最も低いグループに比べて大腸ガンになるリスクが21%高いという結果になっています。 DIIスコアと大腸ガンのリスクとの関係は女性よりも男性で顕著でした。

  • "Public Health Nutrition" 誌(2017年3月)に掲載されたジョージア大学などの研究では、DIIスコアが高い男性は大腸腺腫であるリスクが高いという結果になっています。 大腸腺腫は良性の腫瘍ですが、将来的に大腸ガンになる恐れがあります。

    この研究で米国に住む男女4万4千人超のデータをDIIスコアに応じて4つのグループに分けて大腸腺腫のリスク(オッズ比)を比較したところ、男性においてのみDIIスコアが最高のグループは最低のグループに比べて大腸腺腫のリスクが41%高くなっていました。 DIIスコアが上から2番目のグループでも28%のリスク増加でした。 女性ではDIIスコアと大腸腺腫のリスクとの関係が、さほど明確ではありませんでした。
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