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炎症を促進する食生活で口咽頭ガンのリスクが増加

(2017年3月) "International Journal of Cancer" に掲載されたサウス・カロライナ大学の研究によると、炎症を促進するタイプの食生活によって口咽頭ガン(*)になるリスクが増加する可能性があります。
(*) 舌・歯茎・口腔底・口蓋・口唇などの口腔内部や咽頭に生じるガン。
炎症について

炎症は病原体や有害物質に対して免疫系が引き起こす自然免疫反応の一部で、傷の治癒を促進したり病原菌を抑制したりするのに役立ちます。

しかし、炎症は健全な組織まで傷つけてしまうので、感染症や怪我などが生じていないときにも炎症が持続する慢性的な炎症は体にとって有害です。 慢性的な炎症はガン・糖尿病・心臓疾患・リウマチ・抑鬱・アルツハイマー病など様々な病気の一因になると考えられています。

慢性炎症の原因となるのは、体内から排除されずに残っている病原体・有害物質・免疫系の異常・運動不足・肥満・遺伝的体質・加齢などですが、食事内容も慢性炎症に大きく影響します。

食生活の炎症度と健康

食生活の炎症度とは、普段の食事に含まれ炎症に影響する各種成分がトータルで炎症を促進するか、それとも抑制するかということです。 サウス・カロライナ大学の研究では、食生活の炎症度を判定するのに食事炎症指数(DII)という尺度が用いられます。

これまでの類似研究では、食生活の炎症度が高い人は大腸ガン・乳ガン・膀胱ガン・胃ガン・腎臓ガン・早死に・骨折のリスクが高いという結果になっています。

研究の方法

口咽頭ガンの患者946人とガン以外の患者 2,492人のDIIを調べ、DIIとガンの有無との関係を分析しました。 データの分析においては、年齢・性別・アルコール以外のカロリー摂取量・生活習慣・太り具合・教育水準などを考慮しました。

結果
DIIのスコアに応じてデータを4つのグループに分けた中で、DIIスコアが最も高かった(食生活が最も炎症を促進しがちだった)グループはDIIスコアが最も低かったグループに比べて、口咽頭ガンのリスク(オッズ比)が1.8倍でした。
DIIスコアと口咽頭ガンのリスクとの関係は女性に強く表れており、女性に限ると、この数字は3.3倍でした。

研究チームの計算によると、DIIスコアが8%増えるごとに口咽頭ガンのリスクが17%増加します。

慢性炎症への対策

慢性炎症を低減するには、野菜・果物・ナッツ類・魚を積極的に食べると良いでしょう。 ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜やブラック・ベリーには、特に強力な抗炎症効果が期待できます。 ターメリックやシナモンなどの香辛料にも抗炎症作用があります。 炭水化物を食べる量が多いと逆に、炎症が生じやすくなります。

食生活以外では、座って過ごす時間が長い人は慢性炎症が生じていることが多いという研究や、適度な激しさの運動(早いペースでのウォーキングなど)に炎症を緩和する効果があるとする研究があります。