インフルエンザに感染していると肺炎になるリスクが100倍に

(2013年6月) インフルエンザの流行中に肺炎の件数が増加することは200年以上も前から知られていましたが、インフルエンザと肺炎球菌性肺炎の季節的な発生パターンを社会レベルで調べたこれまでの疫学的研究では、両者の間に少ししか関係が無い、あるいは全く関係が無いという結果しか出てきませんでした。

今回のミシガン大学の研究では、コンピューターモデルを用いて、インフルエンザへの感染によって肺炎球菌(肺炎の最も一般的な原因菌)に100倍も感染しやすくなることを明らかにしました。

研究の内容

この研究ではコンピューターを用いて、肺炎球菌性肺炎への感染モデルを作成し、インフルエンザ感染の(肺炎への)影響に関する複数の仮説を分析して、蓋然性(ある事柄が起こる確実性や、ある事柄が真実として認められる確実性の度合い。確からしさ)に応じて仮説を順位付けしました。 データとしては、1989~2009年のあいだのインフルエンザと肺炎球菌性肺炎による入院件数の週ごとの記録を用いました。

その結果、最も「ありそう」とされたのが、易感染性影響説でした。 易感染性影響説とは、インフルエンザに感染していると肺炎球菌に感染しやすくなるという説です。 この説によると、インフルエンザに感染した後、1週間は肺炎にかかりやすくなります。

冬の肺炎の40%にはインフルエンザが関与

この研究ではさらに、(上記データの)肺炎のケースのうちインフルエンザ感染が原因となっていそうなものを分析し、1年のうちイフルエンザ流行の最盛期(冬)には、肺炎のうちの40%においてインフルエンザ・ウイルスが関与していることを明らかにしました。 それ以外の時期(春とか夏とか)においては、肺炎の発生件数のうちインフルエンザ感染が原因となっている割合は2~10%でした。

200年以上も前からインフルエンザと肺炎の関係が認識されていたにも関わらず、疫学的に把握しようとするたびに両者の関係を捉え切れなかったのは、このように季節によってインフルエンザ感染と肺炎との関与の度合いが異なる(40% vs. 2~10%)からだと考えられます。