不眠症に対する運動の効果が出るまでには時間がかかる

(2013年8月) "Journal of Clinical Sleep Medicine" に掲載された研究によると、不眠症に対する運動の効果が発揮されるまでには時間が必要です。 運動は睡眠の促進に非常に有効(薬物と同程度の効果)ですが、効果が出るまでに数ヶ月間以上かかるというのです。

研究者は、不眠症に対する運動の効果を、ダイエットに対する運動の効果と同様に捉え、数ヶ月単位で評価すべきであると述べています。

この研究では、不眠症と診断された運動不足の中高年の女性11人に、4ヶ月間にわたってエアロビクスをしてもらいました。

その結果、運動をした当日に睡眠が改善されることはありませんでしたが、運動をするようになってから4ヵ月後には、睡眠と、気分、活力が改善していました。

この研究ではさらに、睡眠不足の翌日には運動時間が減少することも明らかになりました。 これはつまり、不眠症の人は「睡眠不足 → 運動不足 → 睡眠不足 → 運動不足...」という悪循環に陥ってしまう可能性が高いということなので、注意が必要です。

これに対して研究者は、運動の計画を立てて、睡眠不足でも頑張って運動することを勧めています。 そうすることで、状況が徐々に改善されていく筈だというのです。

ただし、睡眠障害の専門家によると、運動を長期間続ければ必ず不眠症が治るわけでもありません:

不眠症には60種類以上もあります。 今回の研究の被験者たちでは長期的な運動の効果が見られましたし、同じ年代の男性でも同様の効果が見られるのではないかと思いますが、普段から運動をしているのに不眠症であるという患者もいます。

例えば、当院の患者には、マラソンをやっていて毎週何マイルも走っているのに不眠症だという患者もたくさんいます。

このように日常的に運動をしているのに不眠症だという患者や、遺伝的な要因による不眠症の患者には、運動は効果が無いと思います。