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糖尿病の予防には炒め物より煮物が良い

(2016年8月) "Diabetologia" 誌に掲載された研究によると、肥満していてインスリン抵抗性の兆候がある人は、AGE(最終糖化産物)を口にしないようにするだけでインスリン抵抗性が改善します。

今回の研究チームは 2014年に、体内にAGEが大量に存在するとインスリン抵抗性が増大して糖尿病前症になったり、脳にアルツハイマー病に似た変化が生じることを明らかにしています。参考記事: アルツハイマー病予防には炒め物より煮物が良い?

研究の方法

140人ほどの被験者を2つのグループに分けて、一方のグループにはAGEを特に避けはしない普通の食生活を、もう一方のグループには焼く・揚げる・炙るなどAGEが大量に発生する調理方法を避ける食生活(煮たり蒸したりする食生活)を、それぞれ1年間にわたり続けてもらいました。

そして、試験期間の最初と最後に血液と尿の検査を行って、インスリン抵抗性を調べました。

結果
試験期間の初めに行った検査では、両グループでインスリン抵抗性に差はありませんでしたが、1年後の検査では、AGEを避けたグループでAGEの血中濃度が下がり、インスリン抵抗性も軽減されていました(*)。 このグループでは体重も少し減っていました。
(*) HOMA-IRの数値が3.1から1.9へ下がっていた。
普段の食生活を続けたグループでは、試験開始の時点に比べて1年後には、AGEの血中濃度とインスリン抵抗性が増加していました(*)
(*) HOMA-IRの数値が2.9から3.6へと増えていた。
遺伝子への好影響

さらに、(AGEを避けたグループでは)酸化ストレスと炎症の抑制に関与する6つの遺伝子にも良い影響が認められました。 試験前の時点では、6つの遺伝子のうちの4つ(*)が抑制された状態だったのですが、AGEを避ける食生活を1年間続けた後には活性が顕著に増大していたのです。

コメント
研究者は次のように述べています:
「糖尿病のリスクが高い肥満者において、AGEの血中濃度を糖尿病の予防と診断の両方に利用できるかもしれません。 AGEを避ける食生活は体重の減少にはさほどの効果が無いにせよ、糖尿病の予防にとって有益であると思われます」
別の研究者は次のように述べています:
「欧米型の食事にはAGEが特に多く含まれますが、今回の研究によるとAGEを避けることでそれまでに受けたダメージが回復します。 今回の結果は、糖尿病前症が糖尿病へと進行するのを防ぐための新しい治療法の開発につながると考えられます」