ヒトインスリンでも注射後すぐに食事してよい

(2013年2月) Universitätsklinikum Jena(ドイツ)の研究によると、2型糖尿病の患者はインスリン使用後すぐに食事しても構いません。 今回行われた試験でインスリン使用と食事の間に20~30分を挟んでも挟まなくても、被験者の血糖値は安定していたのです。

ブドウ糖は、体の細胞の燃料として使われるにはインスリンというホルモンが必要です。 2型糖尿病においては、細胞にインスリンに対する耐性(インスリン抵抗性)が出来ているか、あるいはインスリンの生産量が十分ではなく、そのためにブドウ糖が血流中に留まり、血糖値が危険なレベルにまで上昇します。

即効性のある新しいタイプのインスリン(インスリンアナログ)は高価なため、作用するまでに時間のかかるヒトインスリンを使用している患者も多くいます。 そのため、ヒトインスリンの場合には、注射後しばらく間を空けてから食事をするようにと医師に注意されることがあります。

研究の方法

今回の研究では、注射をしてから食事をするまでに時間を空ける場合と空けない場合とでどのような違いが出るかを調べることを目的として、2型糖尿病の患者97人を被験者とする試験を行いました。

97人を2つのグループに分けて、一方のグループ(49人)に注射と食事のあいだに20分間空けるという習慣を四週間にわたって続けてもらったのち、注射後すぐに食事をするという習慣を四週間続けてもらいました。

もう一方のグループ(48人)には、この2種類の習慣を逆の順序(注射後すぐに食事を四週間 → 注射後時間をおいて食事を四週間)で行ってもらいました。

結果

継続的に平均血糖値を測定できる血液検査で計測したところ、両グループともに血糖値はおしなべて通常よりも高かったのですが、「注射後すぐに食事」の場合と「注射後時間をおいて食事」の場合との血糖値の差は 0.08%でしかありませんでした。

さらに、両グループの患者が報告する高血糖値のエピソード(慢性疾患の経過中に起こる一過性の増悪現象)の数も、「注射後すぐに食事」の場合と「注射後時間をおいて食事」の場合とでほぼ同数でした。 被験者の87%が、注射後すぐに食事できるほうがはるかに良いと回答しています。

研究者のコメント

研究者によると今回の結果から、即効性だが高価なインスリンアナログからこれまで作用が遅いとされてきたが安価なヒトインスリンに切り替えられるケースもあると考えられます。

研究者は注意事項として次のニ点を挙げています:
  1. 注射後すぐに食事をする習慣に変更するのは医師に相談したうえで行うこと。
  2. 1型糖尿病ではインスリンがほとんど生産されないため、注射後すぐに食事が出来るのは2型糖尿病の患者だけ。