断食が急性リンパ性白血病の進行抑制に効果(マウス実験)

(2016年12月) "Nature Medicine" 誌に掲載されたテキサス大学サウスウェスタン医療センターの研究(マウス実験)で、断続的な断食(IF)が急性リンパ性白血病(ALL)の進行抑制に効果を発揮するけれども急性骨髄性白血病(AML)には効果が無いという結果になりました。

ALLとAML

ALLは子供に発症する最も一般的なタイプの白血病です。 子供に発症するALLは、90%のケースで既存の治療法が効果を発揮します。 ALLは成人にも発症することがありますが、成人のALLでは既存の治療法があまり有効ではありません。 AMLは成人によく見られるタイプの白血病です。

研究の方法

ALLまたはAMLを発症させたマウスを複数のグループに分けて、普通の食生活を遅らせたりIFを行わせたりするという実験を行いました。 ガン細胞の状況は、ガン細胞に蛍光性のタンパク質で目印を付けて把握しました。

結果
ALL(*)を発症させたマウスでは、IF(食事をする日と断食をする日というを交互に繰り返す)を7週間続けることでガン細胞の量が検知できないレベルにまで減少しました。 普通の食生活を送ったグループが59日以内に死亡したのに対して、IFを行ったグループは75%が120日を超えて生存しました(白血病の兆候を示すこともなかった)。
(*) B細胞に影響するタイプのALLとT細胞に影響するタイプのALLの両方。

AMLではIFの効果が見られませんでした。

レプチンと白血病

レプチンという脂肪組織が生産するホルモンがあります。 レプチンは①絶食によって減少すること、そして②ALLの患者ではレプチン受容体の活性(働き)が弱まることが知られています。

今回の研究では、IFを続けるほどにレプチン受容体の活性が増大し、血中および骨髄中に存在するレプチンの量が減少していました。 そして、そのペースがALLのガン細胞が血中から除去されるペースと一致しているように見受けられました。

AMLのマウスには、IFの影響が見られないレプチン受容体が多く存在していました。 AMLに対してIFが効果を発揮しないのも、このためかもしれません。

したがって、IFはレプチン受容体を介してALLを抑制する効果を発揮するのかもしれません。

今後の研究
研究者は今後の課題として以下を挙げています:
臨床試験の見込み
IFでは薬物を用いないため、比較的早期に臨床試験が実現するかもしれません。