真心がこもっていない感謝の言葉は逆効果?

(2019年5月) "Personality and Social Psychology Bulletin" 誌に掲載された香港の研究によると、感謝の言葉をとにかく口にするよりも、配偶者の厚意に心の底から感謝できるようなメンタリティーを醸成するのが結婚生活を円満に運ぶための秘訣かもしれません。
著者:Joyce L. T. Leong et al.
タイトル: Is Gratitude Always Beneficial to Interpersonal Relationships? The Interplay of Grateful Disposition, Grateful Mood, and Grateful Expression Among Married Couples

研究の概要

100組のカップルが参加した研究で、まず当初の調査では、感謝性(1)が高い人は自分だけでなく配偶者の感謝ムード(2)も高く、結婚生活への満足度が高くなっていました。

(1) "grateful disposition" を訳したもの。 この研究での "grateful disposition" 定義は不明ですが、検索で調べてみたところ「他人の厚意により何か良い結果を得たり良い経験をしたりしたときに、その厚意を認識し感謝の念でもって応じる性向のこと」という説明が見つかりました。

(2) 検索で調べたところ、学術的なソースは見つかりませんでしたが「他人に感謝しやすくなるその場の雰囲気とか人間関係」といった意味のようです。 感謝ムードが高い状況では、他人に感謝する気持ちになりやすいということでしょう。

そこで、カップルたちを2つのグループに分けて、一方のグループでは(配偶者への)感謝の気持ちを密かに綴ってもらうということを、そしてもう一方のグループでは配偶者に感謝の気持ちを明示的に(感謝の言葉を口にするなどして)伝えるということを、(いずれのグループもカップルの片方にのみ)それぞれ2週間にわたり続けてもらいました。

その結果、どちらのグループでもカップルにおける感謝ムードが高まりました。 しかしながら、妻が明示的に伝える感謝の気持ちを「誠意に欠ける」と夫が感じた(*)場合には結婚生活に対する満足度が低下していました。
(*) 実際に妻の謝意が口先だけのものだったとは限らない。 夫がそう受け止めたということ。