膵臓の病変部が膵臓ガンになるリスクが高い人を判断するための基準

(2015年4月) "Digestive and Liver Diseases" 誌オンライン版に掲載された Mayo Clinic(米国)の研究により、膵臓(すいぞう)における病変が膵臓ガンになるリスクが高い人を判断するための基準が明らかになりました。 (出典: Mayo Clinic Creates Profile to Identify Patients Most at Risk of Developing Pancreatic Cancer

膵臓の病変は医師にもガンになるかどうかの判断がつかないため、病変部を除去する手術を行うことになるのが一般的です。

研究者は次のように述べています:

「膵臓ガンは初期診断が難しいガンで、大部分の患者はガンが進行してからガンであることが判明します。 そのため致死率も95%と高い率になっています。」

「今回の研究で明らかになった膵臓ガンのリスク要因を用いることによって、頻繁に検査を行う、あるいは手術を行う必要がある高リスクの患者と、集中的なモニタリングの必要がない低リスクの患者とをふるい分けることができます」

この研究で対象となった膵臓の病変部は「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」と呼ばれています。 IPMN自体は一般的で、10~40%の人にIPMNが生じます。 IPMNの圧倒的大部分は膵臓ガンにはなりません。

病変部が膵臓ガンになるリスクが高い人
この研究では、膵臓に病変が見つかった患者 1,126人のデータを調査しました。 このうち、病変部が浸潤性の膵臓ガンだったのは84人だけでした。 この84人は以下の項目のすべてまたは一部に該当していました:
  • 喫煙歴がある。
  • 肥満している。
  • 糖尿病の症状のうち黄疸(眼と皮膚が黄色っぽくなる)と脂肪便(脂肪が過剰に含まれる便。 膵臓における消化酵素の生産量が低下している証)が見られる。
  • (スキャン検査で)嚢胞のサイズが比較的大きい、主膵管に複数の嚢胞が見られる、嚢胞壁に小結節が存在する。
一方、これまで腹痛は膵臓ガンのリスク要因であるとされてきましたが、今回の研究ではリスク要因とみなされませんでした。 低リスクの患者にも腹痛はありました。