IQに脳の大きさはあまり関係がない

(2015年10月) "Neuroscience and Biobehavioral Reviews" 誌に掲載されたウィーン大学などのメタ分析で、脳の大きさとIQの高さとの間に確固とした相関関係が見られはするものの、その関係は弱いという結果になりました。 このメタ分析では8千人超から成る148のサンプルを用いたデータを分析しました。

研究者は次のように述べています:

「今回のメタ分析で見られた関係から、IQテストの成績を決定する要因において脳の容積が占める割合は僅かでしかないと考えられます。 今回のメタ分析でIQと脳のサイズとの間に一定の関係は認められましたが、実際的な意味合いはあまり無いでしょう」

「IQの生物学的な根拠としては脳のサイズよりも脳の構造のほうが重要であるように見受けられます」
脳のサイズか構造か

頭の良さにとって脳のサイズと構造のどちらが重要であるかは、様々な種類の生物の間で比較するだけでも明らかです。 ヒトは脳の絶対的なサイズにおいても、体重と照らし合わせた相対的なサイズにおいても動物の中でナンバー1ではありません。 脳(中央神経系)の絶対的なサイズにおいてナンバー1となる生物はマッコウクジラですし、体重を考慮した相対的なサイズにおいてナンバー1となるのはトガリネズミです。

ヒトの間で比較した場合でも、IQにとって脳のサイズが重要であるというのは疑問です。 例えば、女性よりも男性の方が脳のサイズが大きいのですが総合的なIQに男女差はありません。 また、巨脳症のために脳のサイズが大きい人はIQが平均的な水準よりも低い傾向にあることが知られています。

したがって、認知機能(知能)にとっては脳のサイズよりも構造の方が重要であると考えられます。