寒さに10分間震えるだけでカロリーを燃焼しやすい体質に

(2014年2月) "Cell Metabolism" 誌に掲載された米国の研究によると、寒さに震えるのには、中程度の運動と同程度に、白色脂肪から褐色脂肪 への変換を促進する作用があると考えられます。

寒さや運動によって白色脂肪が褐色脂肪へと変化するメカニズムを調べたところ、褐色脂肪と筋肉から放出されるホルモンによって白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞に変化していました。

研究内容
寒いとイリシンと FGF21 が増加する

この研究ではまず、ボランティアの人たちに、18℃から12℃へと徐々に寒くなっていく環境に身をさらして震えてもらいました。 そして、筋肉の電気活動を感知する特殊な機器を皮膚に取り付けて震えを調べ、さらに、寒さに震えるボランティアたちから血を抜き取って血中のホルモン量を検査しました。

寒さに震えるボランティアたちの体内では、筋肉からはイリシンというホルモンの、そして褐色脂肪からは FGF21 というホルモンの放出量がそれぞれ増加していました。

運動でイリシンが増加する

研究グループは次に、同じボランティアの人たちに、運動による褐色脂肪増力効果を調べました。 その結果、エアロバイクで1時間ほど運動することで、10~15分ほど寒さに震えたときと同程度にイリシンの体内量が増加していました。

イリシンと FGF21 で白色脂肪が褐色化

さらに、ヒトの細胞を用いた実験で調べたところ、このイリシンと FGF21 で白色脂肪を6日間にわたって処置することで、白色脂肪が褐色脂肪に変化しました。 白色脂肪のエネルギー燃焼速度が増加し、さらに、(これらのホルモンで)処置した(白色)脂肪細胞が熱を発し始めたのです。 熱を発するというのは褐色脂肪細胞に特有の性質です。

実用性
褐色脂肪の多い人は血糖値が低い傾向にあるため、白色脂肪を褐色脂肪に変換する技術は、糖尿病・肥満・脂肪肝などの予防に利用できると考えられます。