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運動により分泌される「イリシン」が乳ガンの細胞を死滅させる

(2015年2月) ニューメキシコ大学の研究で、運動により体内で分泌されるイリシンというホルモンに乳ガンの腫瘍細胞をアポトーシス(プログラム細胞死)へと導く効果のあることが示されました。

これまでに複数の研究で、運動習慣によって乳ガンに限らずガンのリスクが低下したりガン患者の生存率が向上したりすることが示されていますが、そのような運動の効果にイリシンも関与している可能性があります。

研究の内容

(たぶんヒトの)ガン細胞にイリシンを投与したところ、イリシンを投与されたガン細胞では投与されなかったガン細胞に比べて、アポトーシスの量が22倍に増加していました。 一方、非ガン性の(正常な)細胞では、イリシンの投与による影響は見られませんでした。 このことから、イリシンがガン細胞だけを選択的に死滅させるのだと考えられます。

さらに、イリシンをドキソルビシンという乳ガン治療に用いられる抗ガン剤と併せて用いたところ、細胞が抗ガン剤を吸収する量は減っていたにも関わらず、ドキソルビシンの濃度がどの程度であってもガン細胞の破壊量が有意に増加しました。 この結果から、ドキソルビシンの有効投与量を約1/100に減らせると思われます。

研究チームは今後、乳ガン以外のガンに対するイリシンの効果を調べる予定です。

アドバイス
過去の研究では、イリシンの分泌量を増やすには有酸素運動よりも筋力トレーニングが有効(分泌量が2倍)であるという結果になっていますが、研究者は次のように述べています:
「健康な人も既に病気になっている人も、ウォーキングなど軽い運動で良いので運動習慣を開始すると良いでしょう。 筋肉を使うことによってイリシン以外にも様々な有益な物質が血流中に放出されます。 ガンのリスク要因の大部分は遺伝子的なものではなく、生活習慣などの後天的なものです」