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鉄分不足で血液がドロドロになって脳卒中リスクが増加する?

鉄分の欠乏によって脳卒中のリスクが増加することが最近の複数の研究で示されていますが、"PLOS ONE"(2014年2月)に掲載された英国の研究によると、その原因が鉄分の欠乏によって血液に含まれる血小板の粘度が増すためであると考えられます。
脳卒中の中でも一般的な虚血性脳卒中は、血管が血栓で詰まって脳に血液が供給されなくなるのが原因で起こります。
鉄分欠乏によって血小板と呼ばれる血球(血液細胞)の粘度が増加することは、40年近くも前に明らかにされていましたが、これまで見過ごされていました。

この研究で、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)という希少な病気の患者であって肺動脈の形成異常(pulmonary arteriovenous malformation)がある人たち497人のデータを調査したところ、鉄分が不足している人では脳卒中のリスクが増加していました。 鉄分の血中量が6μmol/Lという中程度の鉄分不足であっても、脳卒中のリスクが通常の血中量(7~27μmol/L)のときの約2倍になっていたのです。

さらに、血栓を生じさせる作用のある物質で血小板を処理するという実験を行ったところ、鉄分が不足している人から採取した血小板は通常よりも速やかに凝集しました。

小さな血栓は通常、肺の血管がフィルターとして機能して、動脈に入る前に除去されますが、HHT の患者(のうち肺動脈に形成異常がある人?)では肺の血管が拡張されるためにフィルターとして機能しません。 そのため、小さな血栓が脳にまで達してしまいます。

HHT の患者以外では、卵円孔開存という穴が心臓に開いている人でも、肺の血管が血栓のフィルターとして機能しないことが時々あります。 卵円孔開存は4人に1人の割合で存在します。